研究課題/領域番号 |
20K20418
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補助金の研究課題番号 |
19H05487 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
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研究分担者 |
川村 顕 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 教授 (10422198)
阿波谷 敏英 高知大学, 教育研究部医療学系医学教育部門, その他(教授相当) (10467863)
花岡 智恵 東洋大学, 経済学部, 准教授 (30536032)
朝日 透 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80222595)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 健康政策研究 / 因果推論に裏付けられた科学的根拠 / 文理融合によるビッグデータの利 / 価格政策と数量政策 / 定量分析と定性分析との融合 / 文理融合によるビッグデータの利活用促進 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の主要な目的は、日本の健康政策研究を、大規模な医療・介護情報の整備という第1段階から、「文理融合」による「因果推論に裏付けられた科学的根拠」の創出と実装という第2段階へと推し進めることにある。第1に、大規模な行政管理データに自然実験を応用する定量分析と、AIや機械学習によるテキストマイニング等の定性分析とを組み合わせ、新たな健康政策の評価方法を開拓する。第2に、学際的な研究チームの編成・協働のあり方についてのベンチマークを形成する。第3に、団塊世代が全員後期高齢者になる2025年問題、団塊ジュニアが高齢化する2040年問題に対処するため、研究成果の実装についてのテンプレートを示す。
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研究実績の概要 |
今年度は,本研究プロジェクトの取りまとめの年として,厚生労働省管轄の大規模調査・行政管理情報を用いた複数の研究を基に,国内外での学会やワークショップでの報告を行い,現在,国際専門誌へ向けて投稿の準備を進めているところである.まず,『介護給付費実態調査』・『人口動態(死亡票)』を用い,要介護度の推移率を算出した研究(Mikoshiba, et al.);2本目は,『患者調査』・『国民生活基礎調査』・『社会医療診療行為別調査』を利用し,2008年に全国の自治体で標準化された特定健診と特定保健指導を自然実験として,健診が生活習慣病の発症率・医療需要・医療費に与えた効果について実証的な検証を行った研究(Oikawa, et al);3本目は,2011年東日本大震災に伴う福島原発事故を自然実験として,母親に対する心的ストレスが出生時体重と出生後の子どもの健康にどのような影響を及ぼすかについて検証を行った研究(Fu, et al.);4本目は,China Health and Retirement Longitudinal Study (CHARLS)を用い,急速な人口の高齢化に直面する中国における医療保険制度改革が,都市部と農村部の健康格差に与えた影響について検証を行った研究(Tang, et al.)である.他方,今年度,掲載に至った研究は,1990年代における東京都と政令指定都市を中心とした乳幼児医療費助成制度の導入効果に対する定量的検証(Kang et al.)が2022年10月にJournal of Economic Behavior and Organization,地域のマクロ経済ショックが子どもに対する虐待の発生にどういった影響を及ぼすかを定量的に検証した研究(Oikawa, et al.)が2022年2月にChild Abuse and Neglectに掲載された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば,今年度が最終年度であり,全ての研究について公刊が期待されていたところではあるが,昨年度末に入手した厚生労働省管轄のデータを用いた本格的な解析に着手することが出来たため,今年度は,国内外での学会やワークショップでの報告を行った.来年度は,本プロジェクトを1年間延長することで,専門誌への投稿を完了したい.尚,本プロジェクトを基盤するとNational Database(NDB)に係るプロジェクトについても,機械学習・深層学習のモデル選定に予想以上の時間がかかってしまったため,若干遅れ気味ではあるが,来年度前半には,主傷病の特定を完了し,当初の予定通り,2014年における後期高齢者の自己負担率の変更の効果に係る研究を行い,延長した1年間を活かして,国内外での学会報告,及び専門誌への投稿までのプロセスを完遂する計画である.
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今後の研究の推進方策 |
延長申請が認められた最終年度においては、第1に、NDBの主傷病を特定し,本研究の主目的である,2014年後期高齢者の自己負担率の変更を自然実験として,価格政策が受診行動や医療費にどのような効果を与えるか,主傷病・地域ごとの価格弾力性の推定を行う.第2に、上記で記載した厚労省管轄の大規模調査・行政管理情報を用いた複数の実証研究を,国内外の学会やワークショップで報告し,reviseを重ねて,国際専門誌への投稿を完遂する計画である.
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