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質問力を測定する評価指標と試験環境の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K20420
補助金の研究課題番号 19H05490 (2019)
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金 (2020)
補助金 (2019)
審査区分 中区分9:教育学およびその関連分野
研究機関北海道大学

研究代表者

池田 文人  北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (60333647)

研究分担者 鈴木 誠  北海道大学, 高等教育推進機構, 名誉教授 (60322856)
岩間 徳兼  北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (70608900)
飯田 直弘  北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (80578063)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
キーワード論理推論 / リサーチクエスチョン / 教育プログラム / 職業教育 / 探究学習 / 構造的把握力 / 質問力テスト / 創造性 / 授業評価 / 質問力評価 / テスト開発 / 信頼性 / 妥当性 / 実用性 / 質問力 / テスト / 評価基準 / 人材評価 / 深層学習 / コンピテンス / 非認知能力 / 多面的総合的評価 / 選抜試験 / ルーブリック / 学力の3要素
研究開始時の研究の概要

AIを使って質問を評価します。質問からは、質問の対象に対する知識や理解力だけでなく、論理性や多視点性、好奇心や表現力、協働力など、これまでの試験やテストでは見ることのできなかった多様な能力や資質(コンピテンス)を見ることができます。さらには、良い質問は優れた探究力の源でもあり、創造性にも繋がります。しかし、質問は多様なコンピテンスを含んでいるだけに評価は困難です。そこでAIを使って質問の多面的な評価を実現します。

研究実績の概要

今年度は2件の研修を実施した。一つは、NTTデータ北海道向けである。NTTデータ北海道は現在、道庁が進めるヘルスケアDX事業に関わっている。北海道は2040年に65歳以上の人口が4割を超え、医療制度の崩壊が危惧されている。その解決には斬新なアイデアが求められることから、本研究で開発したKCKI(Knowledge Creation by Knowledge Inheritance)モデルに基づきリサーチクエスチョン(RQ)を創出する研修プログラムの依頼を受けた。KCKIモデルは、現状を把握する「帰納推論」、把握したことから新しいことを想像する「演繹推論」、そして想像を実現する方法を考案する「仮説推論」を経て、RQを創出する。本研修では、各推論を3時間ずつ3日に分けて実施し、最後に、不足が確認された帰納推論だけをもう一度実施した。本研修は創造的なRQの創出だけでなく、業務上の様々な場面で有効であることがわかった。本研修の成果は、現在、日本職業教育学会で発表する準備を進めている。二つ目は、札幌啓成高校向けに、帰納推論に関する研修を3時間で行なった。帰納推論は、複数の前提と結果から規則を導く論理推論である。例えば、「昨日の夜雨が降った」という前提と「今朝は庭が濡れていた」という結果、そして「1週間前の夜も雨が降った」という前提と「その翌日も庭が濡れていた」という結果から、「雨が降れば庭が濡れる」という規則を導く。このような帰納推論は科学の基本であるが、初等中等教育では規則が知識として教えられてしまう。そこで本研修ではノーベル経済学賞を受賞した経済行動学の法則について帰納推論する研修を行なった。本研修によりSPI3のオプションで実施される構造的把握力テストの結果が上昇した。これは社会でも注目される能力であり、現在、日本創造学会での発表準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リサーチクエスチョン形成のためのKCKIモデルに基づく研修を、企業向けに4回、高校向けに1回、実施した。企業向けの研修については、修了後に受講者およびその上司にインタビュー調査を行い、3つの論理推論がそれぞれ業務の異なる場面において有効であることが確認できた。本研究成果は、日本職業教育学会にて論文投稿を計画中である。高校生向けの研修では、知識形成の重要な思考である帰納推論に特化した内容で実施した。その効果を検証するために、主要企業で採用が進む職業特性試験SPIのオプションである構造的把握力テストを研修の前後で実施した。本研修の受講により、ある特定の特質をもった生徒に効果が確認された。こちらも論文投稿を計画中である。他方、3つの論理推論に対する質問の分類基準の開発を行った。本基準を用いて、大学院共通科目の受講者約20名の7回分の質問を分類することにより、質問傾向を明らかにした。この成果は、国際ジャーナルへの投稿を進めている。

今後の研究の推進方策

質問分類基準の精緻化を図った上で、全国の高校生向けに質問力テストを実施し、得られた質問を分類しデータベースを構築する。そしてこの分類された質問を学習させた質問自動分類AIの開発を試みる。本テストの実施にあたり、高校での学習内容を横断する質問力テスト問題を作成するとともに、CBT(Computer Based Testing)システムを開発する。
一方、KICKIモデルを用いたリサーチクエスチョン形成支援のための研修を広めるために、研修のテキスト、課題などを開発するとともに、CBL(Computer Based Learning)システムを開発する。
次年度は本研究費の最終年度であるため、これまでの研究成果をまとめた報告書を作成し、公開する。

報告書

(5件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (22件)

すべて 2023 2022 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] Development of training programs and evaluation methods for question intelligence2022

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Fumihito
    • 雑誌名

      Impact

      巻: 2022 号: 5 ページ: 31-33

    • DOI

      10.21820/23987073.2022.5.31

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 心理ゲーム多発学級における授業中のコミュニケーション改善に関する実践研究-やりとりの質的変化の検討-2022

    • 著者名/発表者名
      小泉光世,原田勇希,池田文人
    • 雑誌名

      交流分析研究

      巻: 46-2 ページ: 90-98

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心理ゲーム多発学級における授業中のコミュニケーション改善に関する実践研究-心理ゲームと無条件肯定的ストロークの量的変化の検討-2022

    • 著者名/発表者名
      小泉光世,原田勇希,池田文人
    • 雑誌名

      交流分析研究

      巻: 46-1 ページ: 33-45

    • NAID

      40022721511

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] QQ Testの開発と試行-探究学習の成果をそくていするための指標づくりを目指して-2022

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼、成田秀夫
    • 雑誌名

      大学入試研究ジャーナル

      巻: 32 ページ: 35-42

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] QQTestの開発と試行 ―学力の3要素の多面的・総合的評価を目指して―2022

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼、成田秀夫
    • 雑誌名

      大学入試研究ジャーナル

      巻: 32 ページ: 35-42

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] AIは何を問えるか?2021

    • 著者名/発表者名
      池田文人
    • 雑誌名

      情報処理学会第83回全国大会講演論文集

      巻: 2

    • NAID

      170000187224

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] What are Scientific Questions?2021

    • 著者名/発表者名
      Fumihito Ikeda
    • 雑誌名

      高等教育ジャーナル : 高等教育と生涯学習

      巻: 28 ページ: 35-43

    • DOI

      10.14943/J.HighEdu.28.35

    • NAID

      120007026918

    • ISSN
      1341-9374
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Framework of QQ Test2020

    • 著者名/発表者名
      Fumihito Ikeda
    • 雑誌名

      日本創造学会第42回研究大会論文集

      巻: 1 ページ: 89-92

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] フロンティア人材評価システムー主体性を含む学力3要素のコンピテンシーに基づく多面的・総合的評価ー2020

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼、飯田直弘、橋村正悟郎、鈴木誠
    • 雑誌名

      大学入試研究ジャーナル

      巻: 30 ページ: 186-191

    • NAID

      40022210471

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高校・大学・社会を繋ぐ追跡調査のためのコンピテンシー・テスト問題の開発2020

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼、飯田直弘、鈴木誠
    • 雑誌名

      高等教育ジャーナルー高等教育と生涯学習ー

      巻: 27 ページ: 27-43

    • NAID

      120006866536

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 高大接続のためのリサーチクエスチョン形成支援モデル2023

    • 著者名/発表者名
      池田文人、山下尚子、邱麗
    • 学会等名
      大学教育学会第45回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 科学的問いに繋がる論理に基づく質問の分類手法2023

    • 著者名/発表者名
      池田文人、山下尚子、邱麗
    • 学会等名
      日本創造学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 創造的なリサーチクエスチョンの類型と特徴 ―RQフレームワーク作成の可能性の検討―2022

    • 著者名/発表者名
      邱麗,池田文人
    • 学会等名
      日本創造学会第44回研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 創造的問いの創出を支援する教育プログラムの開発2022

    • 著者名/発表者名
      池田文人
    • 学会等名
      日本創造学会第44回研究大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 科学的な問い(リサーチ・クエスチョン)の創出と評価のための枠組み2022

    • 著者名/発表者名
      池田文人,江本理恵,岩間徳兼,飯田直弘,田村志穂美,板東信幸
    • 学会等名
      日本教育学会第44回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] QQTestの開発と試行 ―学力の3要素の多面的・総合的評価を目指して―2021

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼
    • 学会等名
      令和3年度全国大学入学者選抜研究連絡協議会大会(第16回)
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] AIは何を問えるか?2021

    • 著者名/発表者名
      池田文人
    • 学会等名
      情報処理学会第83回全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] The Framework of QQ Test2020

    • 著者名/発表者名
      Fumihito Ikeda
    • 学会等名
      日本創造学会第42回研究大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 受験者の質問から何が評価できるか?ー学力の3要素のための質問力評価方法の開発を目指してー2020

    • 著者名/発表者名
      池田文人、岩間徳兼、飯田直弘
    • 学会等名
      全国大学入学者選抜研究連絡協議会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 問いが鼓動するまで。2022

    • 著者名/発表者名
      池田文人
    • 総ページ数
      168
    • 出版者
      溪水社
    • ISBN
      9784863276093
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 問いの評価と創造プロジェクト

    • URL

      https://inquiry-evaluation.com/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 質問力:問いの評価と創造プロジェクト

    • URL

      https://inquiry-evaluation.com/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-07-04   更新日: 2024-12-25  

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