研究課題/領域番号 |
20K20446
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補助金の研究課題番号 |
19H05527 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分32:物理化学、機能物性化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤井 正明 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (60181319)
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研究分担者 |
石内 俊一 東京工業大学, 理学院, 教授 (40338257)
平田 圭祐 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80845777)
宮崎 充彦 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特定准教授 (00378598)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
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キーワード | 分子クラスター / 多光子イオン化 / エレクトロスプレー / 赤外分光法 / 質量分析 / 天然変性タンパク質 / シヌクレイン / ドーパミン / 赤外分光 / 冷却イオンtラップ / 量子化学計算 / レーザー分光 / 冷却イオントラップ / 部分構造解析 / イオントラップ分光 |
研究開始時の研究の概要 |
X線結晶構造解析やNMRでは困難であった、天然変性タンパク質と特異的に相互作用する小分子との複合体の構造解析を、エレクトロスプレー質量分析法、冷却イオントラップ法及び赤外レーザー分光法を組み合わせた新規手法によって可能にする。この手法を、パーキンソン病の原因物質であるα-シヌクレインフラグメントとその凝集を阻害するドーパミンとの複合体に適用し、ドーパミン結合部位に誘起されるタンパク質の二次構造を解明する 。
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研究成果の概要 |
X線構造解析やNMRでは困難な天然変性タンパク質と特異的に相互作用する小分子との複合体の構造解析を、エレクトロスプレー法、冷却イオントラップ法及び赤外レーザー分光法を融合した手法を開拓して実現した。パーキンソン病の原因物質α-シヌクレインフラグメントYEMPSとそのドーパミンとの複合体の赤外スペクトルを測定し、振動バンド解析から複合体中のYEMPSがヘリックス構造を有することを見出した。量子化学計算により複合体の種々の構造とその理論赤外スペクトルを計算し実測赤外スペクトルがYEMPSがヘリックス構造を有する複合体でのみ再現することを見出し、ドーパミンがヘリックス構造を誘起する事を初めて示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来法では困難であった天然変性タンパク質と小分子の相互作用を構造に基づき調べる新たな方法を開発した。本手法は、X線結晶構造解析やNMRなどの従来法の様に測定対象に対する制約(結晶化、高濃度時の凝集抑止など)が不要であるため汎用性が高い方法である。この方法により従来理解の進んでいない天然変性タンパク質の分子認識や機能発現機構の解明に大きく貢献し、天然変性タンパク質を対象とした小分子医薬品の開発を加速することが期待される。本手法は局所的な相互作用を分子レベルで解明する強力なツールであり、生化学に加え超分子を基盤とする最新の材料科学への応用など、様々な分野への波及効果・発展性が期待される。
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