研究課題/領域番号 |
20K20449
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補助金の研究課題番号 |
19H05531 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
櫻井 和朗 北九州市立大学, 環境技術研究所, 教授 (70343431)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | 化学的量状態 / 多糖核酸複合体 / 小角X線散乱 / プラトニックミセル / 化学的量子状態 |
研究開始時の研究の概要 |
ある特定の構造のみが安定な分子集合体では熱による構造揺らぎが極めて小さくなり、化学的な量子状態と言える。このような状態から他の状態への転移では異常な現象が観測される。例えば、我々が発見したプラトニックミセルでは、会合数が12と20しか許されないため、12から20への転移は長い誘導期とそれに続くシグモイド変化が観測されている。これは会合数が逐次的かつ指数関数的に増加してく通常のミセルの変化とは対照的である。本研究ではこのような化学的量子状態間の転移に関して、その分子論的なメカニズムを解明し、新しいサイエンスの領域を開拓する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ミセルの会合数が30以下の球状ミセルにおいて、会合数が真に単分散となり、その値が2、4、6、8、12、20、24と量子化される現象を発見し、「プラトニックミセル」と命名した。また、β-1,3-D-グルカンであるシゾフィラン(SPG)とオリゴデオキシアデニル酸(dAX)が新しい1:2の三重らせん複合体を形成することを示した。これらの複合体は、治療用オリゴヌクレオチドを免疫細胞に送達するツールとして有望である。これらの現象は「化学的量子状態」として理解され、極めて安定な超分子集合体を示す。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プラトニックミセルと多糖核酸複合体の発見は、「化学的量子状態」としての超分子集合体の理解を深め、医療およびバイオテクノロジー分野に革命的な影響を与える。プラトニックミセルは、自己組織化現象の新しい理論的枠組みを提供し、ドラッグデリバリーシステムの設計に新しい指針を示す。一方、多糖核酸複合体は、免疫細胞に特異的に結合する核酸医薬の開発を加速し、ガンや感染症の新しい治療法を促進する。
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