研究課題/領域番号 |
20K20452
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補助金の研究課題番号 |
19H05537 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
秋山 康紀 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (20285307)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2021年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2020年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2019年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
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キーワード | アーバスキュラー菌根菌 / ストリゴラクトン / 菌根菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
アーバスキュラー菌根菌 (AM菌) は80%以上もの陸上植物と幅広く共生できるにも関わらず、フィールドでは特定のAM菌と植物とがパートナー関係を結ぶ傾向が見られる。その分子機構として、植物種によって化学構造が大きく異なる非典型的ストリゴラクトン(SL)がその植物種に固有の共生シグナルとして特定のAM菌を誘引している可能性が示唆されている。本研究では、非典型的SLによる種特異的な菌根菌叢形成の分子基盤を解明すると共に、非典型的SLをリードとして特定のAM菌種を個々に活性化できるAM菌種選択的SLアゴニストを創製することにより菌根菌叢を化学的に制御できる革新的技術を開発する。
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研究成果の概要 |
非典型的ストリゴラクトンアナログを用いたアーバスキュラー菌根菌叢組成改変技術の開発を目的とした。A環にパラ置換ベンゼン環を持つ種々のカーラクトン酸メチルアナログを新規に合成した。AM菌Gigaspora margaritaに対する菌糸分岐誘導では、アルキル置換基の炭素鎖長を変えることで誘導活性を調節できることが分かった。3種類のAM菌Rhizophagus irregularis、R. clarus、G. margaritaを同時接種する菌叢組成アッセイでは、数種のアナログにおいて非処理区と比べて、R. irregularisが減少し、R. clarusが有意に増加する菌叢改変効果が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フィールド条件では植物種によって共生している菌根菌叢におけるAM菌の菌種組成が異なるが、その機構についてはほとんど分かっていない。また、共生効果の高い有用なAM菌を外来的に導入する場合に、土着菌による先住者効果が障害となっている。本研究で開発した非典型的SLアナログは、3種のAM菌からなる合成コミュニティーにおいて、同属異種の2つのAM菌の菌叢組成比を逆転させることができた。本アナログは、菌根菌叢形成の分子機構の解明に利用できるだけでなく、菌叢改変剤としての応用展開が期待できる。
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