研究課題/領域番号 |
20K20458
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補助金の研究課題番号 |
19H05545 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2019) |
研究代表者 |
谷口 雄一 京都大学, 高等研究院, 教授 (90556276)
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研究分担者 |
川井 隆之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (60738962)
金 水縁 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (50758886)
大野 雅恵 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (10581738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 1分子蛍光検出 / 超高感度顕微鏡 / 分析化学 / 医療分析 / プロテオミクス / 1分子蛍光検出 / 1分子 / 蛍光イメージング / 生物物理学 |
研究開始時の研究の概要 |
今日では、検体に含まれる分子の成分や含有量を調べるために、様々な蛍光検出を用いた分析化学の手法が開発されています。本研究では、1分子蛍光検出の原理を生体分子の検出・分析に適用することで、1分子粒度の分析化学の方法論を開拓することを目的とします。キャピラリ電気泳動などの様々な分析化学的手法への1分子蛍光検出系の導入を試み、その1分子感度化を目指します。
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研究実績の概要 |
本研究では、1分子蛍光検出の原理を医療検体内の生体分子の検出・分析に適用することで、1分子粒度での分析化学の方法論を開拓することを目指している。本年度においては、1細胞に含まれる多数種のタンパク質を定量化する実験システムの確立を行うのと共に、測定の基盤となる1分子光学イメージング装置のさらなる改良を行った。
前者においては、これまで開発してきたゲル電気泳動を基盤とする測定システムを用いて、実際に数十個のヒト細胞それぞれにおける多数種のタンパク質の定量化解析を行った。実験の当初はタンパク質に結合していない蛍光色素によるバックグラウンドが大きな問題となったが、蛍光標識の方法を最適化すると共に未反応の蛍光色素を取り除くステップを加えることで、バックグラウンドが十分に低減化できた。結果、それぞれの細胞におけるタンパク質量のばらつきが有意に、かつ再現的に存在することが実験的に確認でき、1細胞に含まれる数十種類のタンパク質の定量化が行えることが確認できた。
後者においては、顕微鏡システムの再設計と最適化を行った。観察の核となる対物レンズを最近市販化された高性能のものに置き換えると共に、顕微鏡筐体の構造を熱ドリフトや振動が起こりにくくなるよう安定化した。さらに、1細胞電気泳動やELISAをより簡便に行えるよう、試料ステージにも工夫を施した。スポット検出のアルゴリズムについては、1細胞ゲル電気泳動の1レーンの解析を行うのに当初は2日程度の時間を要したが、十数時間程度になるように改良を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は単一細胞における多数種のタンパク質の定量化解析を行うことを目標としていたが、早い段階でほぼ達成でき、より高度な測定に向けた顕微鏡システムの改良を行う段階にまで研究が発展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の影響によるスケジュール全体の遅れにより研究期間を延長することにしたものの、研究自体は現在のところ計画以上に進捗しており、今後も申請時の研究計画の軸に沿って研究を進めていく予定である。次年度においては、実際に分化誘導を行ったヒト培養細胞を用いて解析を行い、従来の1細胞トランスクリプトーム解析により得られるデータとの差を評価することにより、本測定システムの有効性を確認したいと考えている。
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