研究課題/領域番号 |
20K20462
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補助金の研究課題番号 |
19H05552 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 直貴 大阪大学, 大学院薬学研究科, 教授 (90312123)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2019年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | キメラ抗原受容体 / 構造活性相関 / 細胞療法 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が目指すCARの構造活性相関に関する体系的な基礎情報の集積によって、これまでは経験則に基づきつつも半ば闇雲に構築されてきたCARの設計思想に有効性増強や副作用低減のための構造情報を導入することが可能となる。本研究成果が個々の研究者が独自構造のCARを用いて進めている研究に活用されることで有効性の向上や副作用の低減に貢献し、さらにそれらの情報を統合することによって理論的・科学的根拠に基づいたCAR設計・創製技術の開発へとつながることが期待される。
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研究成果の概要 |
(1) 種々のscFv cloneを用いて構築したCARの中には、T細胞膜上に発現するものの抗原結合親和性が非常に乏しい構造体や、細胞内での凝集が認められる構造体が存在した。CDR-graftingは難発現性を示したCARの膜発現効率を著しく改善できた。 (2) ヒンジ領域 (HD) の構造特性はCARの発現効率・シグナル入力閾値を規定し、膜貫通領域の構造特性はCARの発現安定性や細胞内局在を規定した。 (3) 第二世代CARの細胞内シグナル伝達領域 (STD) 設計時には、STDのシグナル特性のみならず、CAR細胞内構造変化についても考慮する必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん免疫療法が標的とする抗原分子の多くは、量の多寡はあるもののがん細胞のみならず正常細胞にも発現している。抗体療法やワクチン療法といった患者体内の免疫細胞にがん細胞の排除を担わせる免疫療法においては、標的分子のがん細胞/正常細胞発現比の大きいことが主作用と副作用の分離に必須の条件とされてきた。一方、それ自身ががん細胞を傷害するCAR-T細胞医薬においては、CAR機能のチューニングを行うことによって標的分子密度をより厳密に見分けた作用発揮のON/OFFが実現できるかもしれない。本研究の成果たるCARの構造活性相関情報は、有効性増強や副作用低減のための構造情報を導入したCAR設計に貢献する。
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