研究課題/領域番号 |
20K20475
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補助金の研究課題番号 |
19H05567 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分57:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 理行 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60294112)
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研究分担者 |
村上 智彦 大阪大学, 大学院歯学研究科, 講師 (50510723)
高畑 佳史 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (60635845)
波多 賢二 大阪大学, 大学院歯学研究科, 准教授 (80444496)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 軟骨代謝 / 骨免疫学 / 細胞内シグナル / 関節リウマチ / 転写因子 / 関節軟骨 / 炎症性サイトカイン / 創薬 / 軟骨細胞 / 骨 / 軟骨 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
骨および軟骨組織は骨髄や関節腔と接しており、その周囲に多数の免疫細胞が存在し、免疫細胞が骨芽細胞および軟骨細胞に大きな影響を及ぼしている。骨生物学と免疫学の融合の賜である骨免疫学はその一躍を担っているが、従来の骨免疫学は、破骨細胞とRANKLを中心とした枠内での研究に留まってきた。骨・軟骨組織の破壊性疾患に潜む未知の発症メカニズムを解明するために、「免疫細胞が骨芽細胞および軟骨細胞に直接的に作用し、その組織破壊を誘導する」という可能性を検証することにより骨免疫学の新機軸を切り拓くとともに、その研究結果に基づいて、免疫細胞による骨・軟骨組織の破壊を抑止する新規分子標的薬の開発基盤の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
「免疫細胞が直接的に骨芽細胞および軟骨細胞に作用し、その組織破壊を誘導する」という仮説を提唱し、神経軸索誘導因子であるセマフォリン4Dが、可溶型分子として切断され、炎症性サイトカインとして機能することを明らかにした。また、セマフォリン4Dが関節軟骨細胞の受容体複合体であるPlexinB2とc-Metに結合し、Traf2―NF-κB経路およびras―MEK―Erk1/2経路を活性化し、Mmp3、Mmp13、Adamts4およびAdmats5の発現を顕著に誘導することを見出した。さらにこれらの細胞内シグナルを受けて、転写因子IκBζおよびC/EBPδの活性化が必要であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セマフォリン4Dが新たな非古典的シグナル伝達経路を介して、転写制御を行うことを見出し、ノックアウトマウスおよびその細胞を用いて、実証した。さらにCRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いて作製した、Mmp3ノックインマウスを用いたハイスループットスクリーニングシステ厶を完成させた。このシステムにより、細胞株より生理学的あるいは病理学的に適切な初代関節軟骨細胞を用いて、内在性のMmp3の発現上昇を抑制する低分子化合物を探索できることも確認できた。またSARS-CoV-2ウイルスのワクチンで開発されたmRNAベクターを改良して、関節内に目的分子を導入できるシステムを完成した。
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