研究課題/領域番号 |
20K20479
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補助金の研究課題番号 |
19H05572 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森 亮一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (30509310)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | microRNA / 老化 / 寿命 / 脂肪肝 / ミトコンドリア / 代謝 / miRNA / 炎症 / FBI/SEM / 非コード RNA / 核酸医薬 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪性肝疾患は、主に肝細胞に中性脂肪が沈着して肝障害をきたす疾患の総称である。過食などによる脂肪肝では、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:脂肪肝進行により肝硬変・肝癌を発症する病気)を発症するリスクが上昇する。脂肪肝を呈する日本人男性は 30% を超えており、それに伴い NASH の患者数も増加傾向である。従って、これら病態の新たな治療薬及び検査マーカーの創出が急務である。 本研究では、非コード RNA(蛋白質に翻訳されない RNA)を中心とした、脂肪肝発症メカニズム全容解明及び創薬ターゲットを見出す。本研究達成により、新たな治療標的及び検査マーカー分子を発見し、先制医療確立に貢献したい。
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研究成果の概要 |
miR-142 は加齢に伴う脂質代謝に関与しており、その破綻は寿命に影響することが示唆されているが、その分子メカニズムは明らかでない。収束イオンビーム走査電子顕微鏡を用いて miR-142 KO マウス肝臓由来ミトコンドリアを解析した結果、形態異常を呈していることを発見した。さらに形態異常と相まって、miR-142 KO 肝臓由来ミトコンドリアはβ酸化が上昇し(脂質代謝の亢進)、その結果 miR-142 KO マウスは加齢性脂肪肝発症が抑制されることを見いだした。miR-142 KO マウスの寿命短縮の原因は、肝臓における軽度慢性ミトコンドリア機能異常が一因であると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミトコンドリア機能異常は様々な病態発症の原因となるため、長らく注目されている細胞内小器官である。本研究は、非コード RAN である miR-142 がミトコンドリア機能に関与し、さらに寿命に影響を与えていることを見いだした。また、生体における miRNA とミトコンドリア機能との関係、さらにその機能破綻による生体へ影響を実験病理学的に示した。今後は、miR-142 を標的とした加齢性脂肪肝発症抑制に資する薬剤の開発を進捗させて、新規治療法開発へと繋げたい。
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