研究課題/領域番号 |
20K20480
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補助金の研究課題番号 |
19H05573 (2019)
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 (2022) 慶應義塾大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
金子 文成 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (00344200)
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研究分担者 |
牛場 潤一 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (00383985)
新藤 恵一郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師(非常勤) (70338177)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2019年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 身体所有感 / 主体感 / 報酬 / 仮想現実 / 脳 / 運動主体感 / 報酬系 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトが観察している物体がマネキンの手や身体運動の動画などの仮想身体であっても,その物体が自分に帰属していると錯覚させることができる。さらに,その仮想身体が運動している場面を観察すると,運動感覚を知覚する自己運動錯覚が起こる。本研究では,その自己運動錯覚を誘導するための動画を被験者が能動的な努力で運動イメージした場合の脳活動で制御する。すなわち,被験者は,動画内の仮想的身体が自己に帰属していると錯覚し,その仮想身体を自己が運動させたという運動主体感を生じさせた場合に,報酬系神経回路が賦活しているという仮説を検証する。健常被験者での実験の後に,脳卒中片麻痺患者を対象とした臨床試験を開始する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は「仮想身体であっても,それを自分が主体となって運動させることに成功し,かつ運動感覚を知覚すると報酬系神経回路が賦活 する」という仮説を明らかにすることであった。本研究は3つの実験から構成された。(1)仮想身体に対する運動主体感と脳活動との関連,(2)自己身体化に関わる脳領域の検証,(3)自己身体化した映像に対する錯覚の強度に関わる脳領域の検証 以上の研究では,健常者や下肢切断者を対象として,自己身体映像に対する自己身体化と運動錯覚が報酬系神経回路に及ぼす影響を検証してきた。今後は脳卒中患者にまで対象を広げる価値があると判断できる萌芽的な研究結果を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,自己身体映像に対する自己身体化と運動錯覚が報酬系神経回路に及ぼす影響を検証したものである。この研究成果は,脳卒中などの中枢神経障害により感覚運動麻痺を呈する患者のリハビリテーションに当該研究手法を適用した場合の効果機序を解明することにつながり,治療として新しいアプローチを開拓できる。このように本研究は,脳卒中などの中枢神経障害により感覚運動麻痺を呈する患者のリハビリテーション,あるいはスポーツなどで運動学習する過程において,ヒトが“報酬”を感じることの本質を科学的に理解するための一助となる。
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