研究課題/領域番号 |
20K20485
|
補助金の研究課題番号 |
19H05581 (2019)
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 (2020) 補助金 (2019) |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
坂井 三郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(生物地球化学センター), 主任研究員 (90359175)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2019年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
|
キーワード | レーザー分光 / 中赤外 / 超高感度 / 二酸化炭素 / 同位体 / 超微量 / 放射性炭素 / 放射性同位体 / 炭素 / 14C / 放射性炭素同位体 / レーザー / 分光 |
研究開始時の研究の概要 |
放射性炭素年代測定法を確立したウィラード・リビーがノーベル化学賞を受賞してから半世紀、放射性炭素濃度の計測は、考古学や地質学における年代決定をはじめ、生態系の解析、海洋生物の動態やアルツハイマー病の研究にまで応用されている。しかし、加速器質量分析計は巨大で極めて高額、専属技術者が不可欠で、潤沢な研究資金を持つ研究機関でなければ所有できない。フォトニクスの時代と言われる近年の光計測技術の発展は目覚しく、ベンチトップで安価なレーザー分光技術で14C計測が実現すれば、小規模の研究施設でも計測可能となり、飛躍的に研究の裾野が広がる。本課題では「新しい14Cの超高感度分光法」の開拓に挑戦する。
|
研究実績の概要 |
21世紀はフォトニクス(光科学)の時代と言われ、半導体レーザーの技術革新は、様々な微量分子の精密計測に恩恵をもたらし、例えば二酸化炭素の安定同位体分子(12C, 13C, 16O, 17O, 18O)のレーザー分光計測では、研究代表者により世界に先駆けて超高分解能扇型質量分析計を凌駕する高感度計測が達成された。レーザー分光の利点は、ベンチトップで、商用電源を利用でき、構造がシンプル、かつ加速器質量分析計に比べて格段に安価でありながら、超高感度計測が可能なことである。もし、レーザー分光技術で14C計測が実現できれば、小規模の研究施設でも計測可能となり、飛躍的に新しい研究の裾野を広げることができる。このような背景から、本課題では最先端のレーザー分光技術に光ファイバ技術を癒合して、基盤研究では挑戦が困難である「新しい14Cの超高感度分光法」を開拓し、放射性炭素(14C)計測法のブレークスルーを目指している。 当該年度は、前年度に引き続き光ファイバに書き込んだ中赤外域をターゲットにしたミラー構造のテストを継続し、99.95%の反射率を得ることができた。一方で、前年度からの課題であるサンプルセル両端の光ファイバコリメータの光軸調整法についての改善策の試行錯誤が続いた。その間に新規光ファイバ技術である「中空光ファイバ」が登場し、この技術を採用することで、光軸調整とサンプル量の微量化を同時に解決できる可能性を見出すことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度からの課題であるサンプルセル両端の光ファイバコリメータの光軸調整法についての改善策の試行錯誤が継続中のため。
|
今後の研究の推進方策 |
当該年度に新規光ファイバ技術である「中空光ファイバ」が登場し、この技術を採用することで、光軸調整とサンプル量の微量化を同時に解決できる可能性を見出すことができた。当初計画にはない要素であるが、当初の予定よりもさらに高感度検出を可能できることが予測されるため、鋭意、中空ファイバ技術を導入、試験していく予定である。
|