研究課題/領域番号 |
20K20495
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 千葉大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
藤橋 浩太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50820354)
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研究分担者 |
中橋 理佳 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (80391887)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 記憶免疫 / 粘膜IgA / CpG ODN / Flt3リガンド / Foxp1 / 老化 / アジュバント / 肺炎球菌 / 分泌型IgA / 粘膜免疫 / メモリー免疫応答 / ダブルシグナル / ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の弱減化しているメモリー粘膜免疫力を向上させ、多種多様な呼吸器感染症から宿主を防御するための抗原非依存型広範囲呼吸器感染予防ワクチン開発の基盤構築を目的とする。肺炎球菌では多くの血清型が存在し、既存の肺炎球菌ワクチンではカバーできない血清型置換が問題となっている。この観点から、マウスモデルを用いて、樹状細胞(DCs)を標的としたダブルシグナルシステム(CpG ODNとFlt3リガンドcDNAプラスミドの併用, CpG/pFL)の経鼻投与によって、弱減化しているメモリー粘膜免疫力を再活性化させ、肺炎球菌感染症を予防する。
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研究実績の概要 |
老化による免疫力(ワクチン効果)の低下は肺炎球菌が原因である呼吸器感染症増加による、高齢者の死因に繋がっている。肺炎球菌では多くの血清型が存在し、既存の肺炎球菌ワクチンではカバーできない血清型置換が問題となっている。さらなる問題点は現在ライセンス化されている注射型ワクチンでは呼吸器感染症を防ぐ上で重要な役割を担っている粘膜防御[抗原特異的分泌型(S)IgA抗体]が期待できず、免疫力が低下している高齢者では十分な予防効果を発揮できないことである。そこで、細菌やウィルスの抗原に依存しない、申請者らが開発した樹状細胞(DCs)を標的としたダブルシグナルシステム(CpG ODNとFlt3リガンドcDNAプラスミドの併用, CpG/pFL)の経鼻投与によって、高齢者の弱減化しているメモリー粘膜免疫力(既存抗原特異的SIgA抗体)を向上させ、多種多様な呼吸器感染症から宿主を防御するための抗原非依存型広範囲呼吸器感染予防ワクチン開発の基盤構築を本研究申請の目的とする。本年度は、鼻腔に限局する肺炎球菌の感染モデルの立ち上げを行い、肺炎球菌(A66.1株)、1 x 105 /マウス、5 ulを経鼻投与する事で5日後に鼻腔内に菌が存在することが確認できた。これは、前年度の動物実験施設の整備の遅れによるIgA KOマウスの繁殖が十分ではなく、粘膜分泌液中のPspA特異的IgA抗体の役割を明らかにする目的のための感染実験系である。この感染実験系による評価のため、新たな記憶免疫の誘導を行い、最終免疫から1週間後にPspA特異的免疫応答が誘導されていることが確認できたため、3ヶ月後、6ヶ月後の抗体価の変化を確認したところ、鼻洗浄液中のPspA特異IgA抗体価の顕著な減少は認められなかった。現在、抗体価の変化を確認中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度、千葉大学病院・ヒト粘膜ワクチン学部門での動物実験体制が整備され、免疫感染実験を開始した。IgAKOマウスとタモキシフェン誘導型CD4-Foxp1KOマウスの凍結胚から生体作成も開始したが、繁殖が十分ではなく実験に供与できる十分な匹数が得られていない。そこでまず、粘膜分泌液中のPspA特異的IgA抗体の役割を明らかにする目的で、鼻腔に限局する肺炎球菌のマウス感染モデルを立ち上げた。ワクチン抗原のPspAと同じクレード2の株であるA66.1, D39, R36A (1 x 103 ~1 x 106/マウス) を未免疫マウスに経鼻投与(片鼻5 ul)し、5日後に鼻洗浄液を回収し生菌数を算出した。A66.1株による経鼻感染で安定した肺炎球菌数が鼻腔に定着することが明らかになった。 鼻腔に限局する肺炎球菌感染法を使った記憶免疫防御機能の評価のため、新たな記憶免疫の誘導を目的とし、PspA + CTを1週間ごとに3回経鼻免疫を行い、最終免疫から1週間後にPspA特異的免疫応答が誘導されていることが確認し、3ヶ月後、6ヶ月後の抗体価の変化を確認した。血清中のPspA特異IgG抗体、鼻洗浄液中のPspA特異IgA抗体の顕著な現象は認められなかった。現在継続して抗体価の減少を観察中である。
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今後の研究の推進方策 |
抗体価の減弱が確認できた時点で、CpG/pFLの経鼻投与を行い、抗体価の再上昇を確認する。その後、鼻腔内限局感染実験を行い、肺炎球菌特異的IgA抗体の役割を解析する。IgAKOマウスが十分に確保でき次第、同様な実験を行いPspA特異的IgA抗体の重要性を裏打ちする。また、令和5年度に計画したが、実施できなかった鼻洗浄液、血清中の抗原非特異的IgG抗体、IgE抗体や、炎症性サイトカイン(TNF-a,IL-1a, IL-1b, IL-6, IL-17)、アレルギー性サイトカイン(IL-4, IL-5, IL-9, IL-13, IL-33)の測定を行う。 CpG/pFL経鼻投与によって、メモリーCD4+ T細胞によるFoxp1発現が抑制される事をFACS解析にて明らかにする。また、メモリーCD4+ T細胞をコンジェニックマウスに移入し、その後、CpG/pFL経鼻投与を行い、移入細胞のFoxp1発現が抑制され活性化エフェクターCD4+ T細胞へと分化することを明らかにする。 Foxp1の抑制性制御にはmiR-9, miR-34a,miR-150が重要な役割を果たして事が報告されている。そこで、CpG/pFLによって活性化されたNALT DCがこれらのmiRを分泌していることを定量性PCRにより証明する。またCpG/pFL経鼻投与した老齢マウスのNALT DCを分離し、機能欠損、機能獲得培養系にてmiR-9, miR-34の役割を検証する。
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