研究課題/領域番号 |
20K20500
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊東 乾 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (20323488)
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研究分担者 |
田中 有紀 東京大学, 東洋文化研究所, 准教授 (10632680)
呉本 尭 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (40294657)
陳 捷 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40318580)
石原 茂和 広島国際大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (90243625)
青木 直史 北海道大学, 情報科学研究院, 助教 (80322832)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2022年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2021年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 術数学 / 調和解析 / 機械学習 / 理気二元論 / 朱熹 / 朱載イク / 迫真型聴覚AR / パーキンソン病 / 古琴 / 平均律 / 非線形共鳴 / ゆらぎ / エッジ聴 / 音楽音響 / 東アジア / データ駆動科学 / 共生倫理 / デバイス / 暦法 / マインドフルネス(八正道・正念) / 曼荼羅 / 仏像・彫刻 / モルフォメトリクス / 身体運動 |
研究開始時の研究の概要 |
中国、朝鮮半島と日本の「術数学文献」を調査、とりわけ「古琴」の文字譜、減字譜の画像データベース化を端緒とするAI文献学の機械学習手法開発に取り組む。同時に「減字譜」などに記されないリズムなどの「打譜」要素は複数の異なる演奏解釈の身体運動を機械学習により解析、日本、中国(北京・上海)と韓国(ソウル)を結ぶ東アジア研究ネットワークを形成し体系だったデータテイクと解析を推進、文献学的調査、数理解析等と連立比較し、書誌情報ならびに実践情報から得られる調和構造と術数学の調和観を比較する。AI文献学ツール開発は、現在廃絶している朝鮮合字譜の復元など機械学習活用で初めて可能となる隣接課題への発展も企図する。
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研究実績の概要 |
東アジアにおける術数思想の展開を、宋代儒学(とりわけ朱熹による「朱子学」と「理気二元論)以降の数理体系として整理し、とりわけ明末清初、明の王族である朱 載イクによる平均律の確立(メルセンヌやデカルトによる同様の演算よりも数十年先んじる)を中心に、今日の数理科学の観点からあらたに位置づけなおすとともに、そこに示唆される可能性や、並行する別の思潮は今日の物性科学、機械学習を筆頭とするデジタルシステムにも適用が可能であり、大胆な応用をこころみることで、従来のオーソドックスな西欧近代科学の枠組みでは死角に入りやすいテーマを抽出、システムインテグレーションに取り組んでいる。 2023年も、従来から積み上げている古典研究、文献研究、文献所在調査と目録の整備など、オーソドックスな研究をベースとして進め、これと並行して挑戦的な課題にも取り組んで新たな成果をあげている。とくに、唯識論の観点を参照しつつ聴覚ARヘッドセットのシステムをスピーカーアレーと組み合わせることにより、全く新しい迫真型聴覚ARシステムを開発、これを用いることでパーキンソン病の立位保持リハビリテーションなどに有為であることが判明したので、これによる博士学位取得など、大きな進展がみられた。 また、術数学に隣接しつつ、思想的に李氏朝鮮期には高くは評価されてこなかった朝鮮工人の技芸に注目した柳宗悦の思想に端を発し、新型コロナウイルス感染症のために中座していた韓国国立民俗博物館との協働も再開を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度、極めて大きな進展を見せたのは、機械学習を併用するイノベーションへの転用である。昨年度までの聴覚ARヘッドセットを、フランス国立音楽音響研究所の技術協力のもと「迫真型聴覚AR」に拡大、パーキンソン病患者の立位保持など、従来の西欧型の発想による投薬やリハビリテーションシステムでは手がつかなかった、発病後のパーキンソン病患者の立位保持訓練に 気=錯覚を利用する認知刺激を与えることで、自律的な軽快をもたらすことを、罹患被験者の協力も得て実証し、これによる博士の学位請求論文も通過、知財化など次のステップに進む準備が整った。予想を超えた進捗が、東アジア術数学のフレームワークから新特許につながる技術開発を生み出しており、完全に予想を超えた進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
前項にも記載したとおり、伝統的な東アジア術数学の発想から新たなイノベーションが成立する一つのプロトタイプが実現した。実は同様のことは、古代インドの唯識論から、古典語学者でもあるソシュールが一般言語学を確立 20世紀の言語科学を一新したように、並行する様々な事例が知られる。今年度は一期の最終年度として、オーソドックスな古典研究に加え、こうしたシステムインテグレーションの総括を行うとともに、具体的なテーマに即して後続研究への展開を進めてゆく
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