研究課題/領域番号 |
20K20503
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
渡辺 浩一 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (00201179)
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研究分担者 |
籠橋 俊光 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00312520)
東 昇 京都府立大学, 文学部, 教授 (00416562)
山田 浩世 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 准教授 (00626046)
宮間 純一 中央大学, 文学部, 教授 (10781867)
神谷 智 愛知大学, 文学部, 教授 (20283377)
谷本 晃久 北海道大学, 文学研究院, 教授 (20306525)
伊藤 昭弘 佐賀大学, 地域学歴史文化研究センター, 教授 (20423494)
塚原 伸治 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (30735569)
望月 良親 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 講師 (30814040)
作野 広和 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50284146)
原 直史 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70270931)
板垣 貴志 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (80588385)
西村 慎太郎 国文学研究資料館, 研究部, 教授 (90383546)
梶嶋 政司 九州大学, 附属図書館, 助教 (80403939)
中野 賢治 山梨県立博物館, 山梨県立博物館, 学芸員 (10746332)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2023年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 近世庶民史料調査委員会 / 地域 / 山陰 / 沖縄 / 北海道 / 地域アーカイブズ / 庶民史料調査 / 出所 / 在地史料 / 現存 / 限界集落 / 無住化 / むらおさめ / アーカイブズ / 地域社会 / 現代 / 調査 / 保存活用 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本列島各地の地域社会が、それぞれの文化的資源を活用することによって、その歴史的文化的アイデンティティを豊かにし持続していくための基盤構築である。 より具体的には、地域活性化を視野に入れつつ、地域アーカイブズの全国調査の方法を学融合的に開拓する。ここでいう「地域アーカイブズ」とは、旧家の古文書(寺院・神社も含む)、近現代の個人や諸団体の資料、合併前旧町村の公文書の総称である。 1948~1953年に実施された庶民史料調査で対象とされた文書群は全国で4219件もあるため、全国を10地区に分けて、地区ごとにいくつかの文書群を抽出し、その後の文書群がたどった履歴を調査する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、研究成果のとりまとめを強く意識しつつ、各分担者はそれぞれの担当地域の調査を進めた。総括班では、長野県小県郡に関する調査が大きく進展した。特に、近世庶民史料調査に従事した方がまだご存命であり、聞き取り調査ができる可能性が出てきたことは重要である。これらの活動により、近世庶民史料調査はそれぞれの地域の実情に応じて多様な類型が存在することが次第に明らかになってきた。ほとんど委員一個人が請け負っている県がある一方、長野県小県郡・諏訪郡のように、すでに行われていた地域史料調査を基盤に、郡教育会という組織のもと多人数の学校教員によって、現在でいう悉皆調査に近い調査が行われた郡もあった。また、当時併行して行われていた全国的な史料調査との相互関係にも注意が促された。 研究会は2度開催した。8月24日には、板垣貴志「島根県内における史料所在調査の経緯」 、神谷智「名古屋大学経済学部所蔵『近世庶民史料調査研究 中部之部』について」のに報告が行われた。 2024年3月21日には、籠橋俊光「東北地方における近世庶民史料調査」、原直史「新潟県内の庶民史料調査と農政調査会」、中野賢治「山梨県下の近世庶民資料調査と山梨県立博物館所蔵資料」、伊藤昭弘「佐賀・長崎・熊本・大分県における近世庶民史料調査」、菅原一「長野県小県地域における近世庶民史料所在調査」の五報告が行われた。 また、長野市立博物館での水損史料保全活動、東北大学災害科学国際研究センターでの文書整理を引き続き行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年5月8日に新型コロナウィルス感染症が5類に移行され、史料保存機関などでの調査の制約はなくなった。しかし、その後も夏と冬に流行したため初対面の調査ははばかられる場面もあった。それでも各分担者は調査を進めている。まる二年ほど対面の調査ができなかったため、この科研の主眼を1950年前後に行われた近世庶民史料調査の検証に置くことに変更せざるをえなかった。しかし、絞り込んだ目標に関しては新たな知見を多く得ることができた。その成果を取りまとめるため、研究期間を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、補足的調査以外は、研究成果のとりまとめに集中する。各分担者はそれぞれの担当地域もしくは役割分担に応じて、A4版で数ページ分の原稿を執筆し、それを総括班が編集する。これにより、近世庶民史料調査の実態が明らかになり、そこから未来への教訓を引き出すことができるだろう。この内容は、『「社会転換期における地域アーカイブズ全国調査の検証と新たな方法の開拓」研究成果報告書』と題した図書(PDF版)に盛り込む。それを国文学研究資料館の情報リポジトリで公開する。
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