研究課題/領域番号 |
20K20504
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
小野 林太郎 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 准教授 (40462204)
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研究分担者 |
田中 和彦 鶴見大学, 文学部, 准教授 (50407384)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
日下 宗一郎 東海大学, 海洋学部, 特任講師 (70721330)
片桐 千亜紀 九州大学, 比較社会文化研究院, 共同研究者 (70804730)
山極 海嗣 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 講師 (80781202)
Matthews Peter 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 教授 (70281590)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,350千円 (直接経費: 19,500千円、間接経費: 5,850千円)
2022年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
2021年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2020年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | オーストロネシア語族 / 土器文化の復元 / 葬墓制 / 琉球列島 / 先島諸島 / 東南アジア / 国際学会での成果発表 / 下田原貝塚遺跡 / 東インドネシア / フィリピン諸島 / 埋葬文化の復元 / 八重山諸島 / ミクロネシア / 土器研究 / 先史人骨 / 同位体分析 / 新石器時代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は南中国から台湾を究極的な起源地とし、約4000-3000年前頃の新石器時代に、東南アジア島嶼域を経由して、オセアニア全域への拡散に成功したオーストロネシア語族の初期移住期における土器や埋葬文化の謎に迫る研究である。特に台湾以後、最初に移住を行ったと考えられてきたフィリピン諸島や東インドネシアの島嶼域での遺跡発掘を実施し、新たな考古資料や先史人骨を含む人類学的資料の発見と分析を試みる。また分析においては、土器を中心とする考古学的な研究と先史人骨の形態や同位体分析、さらには遺伝子分析を軸とする人類学的な研究を併せた学際的な研究により、初期のオーストロネシア語族の実態に迫るものである。
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研究実績の概要 |
本年度に計画していたフィリピン、およびインドネシアでの海外調査(発掘)はいずれもコロナの影響や、調査の再開に必要な諸手続きがコロナ前よりも複雑化したことの影響を受け、年度内に実施することはできなかった。そこでこれまでの研究・発掘調査により収集されていた新石器時代以降におけるオーストロネシア語族の土器や埋葬文化に関わる考古学的資料の分析と整理を積極的に進め、その成果をIndo-Pacific Prehistory Associationなどの国際学会で公表した。またインドネシアの考古資料においては、鋸歯印文土器の詳細に関するデータを整理し、これらの成果の一部を学術論文として投稿するための執筆準備を進めた。比較の視点からは、東南アジアやオセアニアの熱帯島嶼環境と類似性の高い、亜熱帯島嶼となる琉球列島の先島諸島に注目し、その中心的位置を占める宮古島と石垣島での発掘調査を継続実施した。今年度の発掘では、とくに宮古島での洞窟遺跡で土器片や魚骨などを伴う炉跡の検出を行ったほか、その周囲で人骨も出土が確認され、本科研の目的を遂行する上で重要な発見があった。また初期オーストロネシア語族の移住期と並行する遺跡として、波照間島の下田原貝塚遺跡から出土した魚骨の再同定分析のほか、同位体分析の準備も進めている。これらの研究から、当時の人類集団による漁撈活動や漁撈戦略の復元にもアプローチし、オーストロネシア語族による八重山諸島への拡散問題への解明のほか、この島嶼域へと移住した人類集団の土器・埋葬文化についての考古学的資料の分析を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要でも指摘したように、本年度もコロナ等による影響により、当初予定していたインドネシアやフィリピンでの新たな発掘調査を含む海外研究は実施することができなかった。その一方で、沖縄の先島諸島で実施した発掘調査では、先行研究では確認されていなかった新たな土器文化や埋葬文化に関する知見やデータを得ることができた。またインドネシアを中心とする東南アジア島嶼を対象とした研究では、これまでのデータを基に複数の英語論文を国際学術誌に公表できたほか、国際学会での公表も積極的に行い、多くの反応を得ることができた。これらの成果も考慮した結果、当初の計画からは大きな変更を余儀なくされた状況は続いたものの、研究全体としてはおおむね順調に進展できたと評価した次第である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度もコロナによる影響やその後の制度変化による影響を受ける可能性があるが、対象としているインドネシアやフィリピンで状況が改善した場合は、当初の計画通りに当該地域での新たな遺跡発掘を実施する予定であり、現地におけるカウンターパートとの調整や準備もできている。また比較的視点より実施してきた琉球列島での遺跡調査も継続実施する計画であるほか、オセアニアのミクロネシアを対象にした比較分析的視点からの考古学調査も計画している。インドネシアやフィリピンを対象とした研究では、これまでの未分析資料の分析や再分析をさらに進めることで、新たな知見やデータの収集・整理・公表にも努める計画である。
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