研究課題/領域番号 |
20K20507
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター |
研究代表者 |
高垣 雅緒 (高垣 政雄) 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター, その他部局等, 研究員(移行) (70252533)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 福島原発事故 / 民族調査 / 福島県飯舘村 / 民族誌 / 原子炉の民族誌 / 災害人類誌 / 低レベル放射線環境 / 復興 / 原子炉災害の民族誌 / 福島第一原発事故 / 放射能汚染 / 原子力科学の責任 / 原子力政策の責任 / コミュ二ティー再生 / 限界集落 / 原子炉 / 科学人類誌 / 長期調査 |
研究開始時の研究の概要 |
震災直後から2 016年避難解除まで代表者は断続的に飯舘村大野台仮設に住み込み、避難者らと交流、インタヴュー、さらには医療相談などを通して親密圏を作りながら、避難解除までの一部始終を見てきた。避難解除後は、引き続き帰村民らと合宿しながら生業、家族(遠方避難家族 を含め)、信仰、トラウマ、コミュニティー、復興などなど様々な視点で議論やインタビ ューを重ねている。本研究で、福島第一原発事故の長期調査記録を通して民族誌を記述する。本研究課題は研究代表者の文理融合的研究スタンスと科学的知識に裏付けされ、他の民族誌と比較して科学的リアリティーを持つ民族誌として挑戦的である。
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研究実績の概要 |
東北大震災による原発事故という複合災害に関する福島県飯舘村での長期調査を目的としたフィールドワークも13年目を迎え、災害と復興を主なテーマにこれまでの基本的データを大方取り終えた。現在の主な研究課題は飯舘村メモリーワークとその変容、および復興のかたちについて考究を続けている。また復興が進みつつある浪江、大熊などの避難解除区域についても現地調査を通して復興といった切り口で比較検討を行っている。2017年6月飯舘村は蕨平など高線量区域を覗き概ね避難解除され、避難村民の自由意志に基づいた帰村が実施された。村の自宅に帰るもの、さらなる被曝を避けて新天地に移住するものなど多様な帰村の物語があった。飯舘村に帰村したもののほとんどは高齢者で、人口の1割程度であった。震災直後に他府県など遠方に 逃れたものはすでに帰村の術はなく、行政の多様な政策にもかかわらずコミュニティー再生には遠く至っていないことが確認できた。またその原因の調査分析を行っている。限界集落化から恢復 するのか、あるいは新たなコミュニティーの形態をもった村に発展するのかを引き続き参与観察を通して復興について人類学的分析を進めている。併せて、他府県に避難しその後移住を続けている避難者の長期追跡調査も行なっている。 京都大学大学院 人間環境学研究科 文化人類学分野 博士論文 (提出準備中)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍での福島県飯舘村での現地フィールドワークはやや計画より遅れているものの、これまで収集した膨大な調査データの分析を行なっている。現在博士論文(京都大学人間環境学研究科共生文明学専攻文化人類学)執筆を進めており、その中で必要なデータの集積を引き続き行なっている。前年度に引き続き、福島県飯舘村を主な調査地として、帰村民らとの定期的な対面による会合のほか、メイルやzoomによる情報収取を行っているほか、原子力行政の変容に関する分析を聞き取り調査や文献調査により行っている。飯舘村での避難解除後の現地調査は主に飯舘村宿泊体験村「きこ り」において、村民、村長、東京電力職員などで合宿しながら定期的に議論を深めることができた。飯舘村ふれ愛館において研究代表者が「原子炉の民 族誌 ー福島第一原発事故の長期調査記録ー第2回 挑戦的研究(開拓) 2020ー2025年度 20K20507」と題してこれまでの研究成果を発表し、村民及び東京電力などと議論意見交換を行った。博論は第一編:原発事故の人類誌、第二編:原発事故の民族誌に分け、現在全16章の執筆を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度2025年度には、研究の成果発表(主に博士論文とその出版)の予定であるが、それで本研究が終われないとの強い思いから、引き続き村民目線での 復興を研究するための方策を検討している。その一つは飯舘村で復興した飯舘村宿泊体験施設「きこり」において災害人類学をテーマにした国際ワークショップ の開催、二つ目は飯舘村において村の復興を研究する民俗学研究所の新設だ。このアイデアは飯舘村村長、東京電力の賛同を得て粛々を準備を計画している。こ のためのファンド設立にも既に多くの賛同者からの寄付の意向を頂くなど、研究推進と併せて研究所実現に向けて引き続き研究を進めていく。
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