研究課題/領域番号 |
20K20522
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大槻 純也 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 准教授 (60513877)
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研究分担者 |
中西 義典 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (00767296)
吉見 一慶 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (10586910)
横谷 尚睦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90311646)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2021年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2020年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 計算統計 / 圧縮センシング / スパースモデリング / コンプトン散乱 / フェルミ面 / フェルミオロジー / データ科学 / 角度分解光電子分光 / 強相関電子系 |
研究開始時の研究の概要 |
大規模データを扱うデータ科学の方法や機械学習が進歩しており、物質探索にも応用され始めている。それでは、これらの新技術を応用して物性実験のデータから何か目に見えない情報を引き出すことはできないだろうか?本研究の目的は、物性実験から物理情報を抽出するため、高性能計算統計の方法論に基づく新しい解析手法を確立すること、また、その解析結果を実験にフィードバックさせた高効率な実験計画法を提案することである。それにより、実験と理論の定性的な比較というこれまでの研究から、解析の信頼度を担保した定量的な議論へと、実験データ解析に革新をもたらすことを目指す。
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研究成果の概要 |
高性能計算統計を応用した新しい物性実験のデータ解析法を考案した。具体的には、コンプトン散乱実験に注目した。物質にX線を照射した際に起こるコンプトン散乱のデータは、物質中の電子の運動量分布の情報を持っている。このデータは運動量分布を散乱軸に射影したものであるため、運動量分布そのものを得るには、コンピュータ画像診断法(CT)と同様の再構成が必要となる。しかし、測定で得られるデータ量が十分でないため、この再構成は困難である。この問題に圧縮センシングを応用することで、少ないデータからでも精度よく運動量分布を再構成する方法を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化合物中の電子の運動量分布あるいはその不連続面であるフェルミ面は、化合物の金属としての性質を特徴付ける重要な物理量である。本研究は、これまでフェルミ面の測定法としては応用が限られていたコンプトン散乱の可能性を広げるものであり、今後の応用が広がるものと期待される。また、本研究は計算統計を物性実験に応用した実例としての意義もあり、この方法論の物性実験への応用の広がりも期待される。
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