研究課題/領域番号 |
20K20525
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分15:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米徳 大輔 金沢大学, 数物科学系, 教授 (40345608)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | X線光学系 / 微細加工 / ガンマ線バースト / X線天文学 / 人工衛星 / 検出器開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、高エネルギー突発天体現象の観測感度を約2桁も改善し、時間領域天文学に革命を起こすことを目指すものである。近年の様々な観測技術の発展により、重力波源からの微弱なX線放射や、極めて遠方のガンマ線バーストなどの新たな観測対象が現れてきた。これらの最先端の観測を実現するためには、広視野X線観測の感度を約2桁程度も向上させなくてはならない。本研究では、企業と共同で高精度な3次元微細加工・研磨技術を応用した「X線結像光学素子(ロブスターアイ光学系)」を製造し、X線ビームラインでの評価を繰り返すことで、その製造技術・量産体制を確立することを目標とする。
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研究成果の概要 |
従来のロブスターアイ光学系(LEO)の製造上の問題であった素性変形による結像性能の悪化を回避することを目指して、3次元レーザー微細加工および磁気流体研磨により、ガラス平板にLEOを構築した。従来のLEOと同等の10分角程度のX線結像性能を得ることができたが、それ以上の高精度化へは、レーザー加工による表面粗さを1桁以上小さくする必要があることが課題となる。複数のLEOを配列して広視野化する技術は大きく進展した。コリメータ光を用いることでLEOの実効的な焦点距離を測定し、数10ミクロンの機械調整を行うことでLEO単体の結像性能と遜色ない性能で広視野化できることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙物理学・天文学では、「広い視野を持った観測装置による広域探査・モニター」と「狭い視野で高感度な大型望遠鏡による詳細観測」が協調することで宇宙の観測可能領域を拡大し、真理を追求している。とりわけ、高エネルギー宇宙物理学における広視野観測では、全天の1/10以上にもおよぶ広域をモニターすることで突発天体の発見に貢献してきた。 本研究により、最先端の観測を実現するために必要な約1.5桁の観測感度の改善が見込める基盤技術が得られ、同時にさらなる課題を確認した。この技術は、トンネル・橋・建造物などの非破壊検査を圧倒的に高効率化することにも寄与でき、産業界においてもインパクトのある開発である。
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