研究課題/領域番号 |
20K20529
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角野 浩史 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90332593)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
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キーワード | 質量分析 / イオン源 / 希ガス / 同位体 / 超高感度分析 / 局所分析 / レーザー抽出 / マントル / ダイヤモンド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高速回転するローターにより希ガスをイオン源に集めてイオン化し、そのイオンのほぼ全てを質量分解能を損なうことなく検出器まで導く、ガス圧縮機構と四重極静電レンズを備えた画期的な電子イオン源を搭載した、数百個程度の希ガス同位体を検出可能な、超高感度希ガス質量分析計を開発する。これをレーザー抽出法と組み合わせ、マントル起源かんらん岩中の流体包有物一つ一つの分析に応用し、マントルにおける微小な希ガス同位体比の不均質と、その起源を明らかにする。これらの開発により局所分析の分野に、希ガス同位体という新たなトレーサーを導入し、地球惑星科学の広い範囲に新たなブレークスルーをもたらすことを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では希ガス質量分析計に、高速回転するローターにより希ガスをイオン源に集めるガス圧縮機構の導入と、四重極静電レンズを備えたイオン源と検出器の高安定化・高精度化を施し、従来よりも微量の希ガス同位体の検出を可能にするとともに、これを微小な試料からの希ガス抽出が可能な小型加熱炉や顕微赤外レーザーアブレーションシステムと組み合わせることで、様々な由来深度のダイヤモンドや、流体包有物やメルト包有物を含むかんらん岩やクロムスピネル試料に、プルームの上昇やプレートの沈み込みなどによる、マントル内化学的不均質の形成過程の痕跡が残されていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希ガス同位体は地球内部の物質移動に重要な制約を与える重要な地球化学的トレーサーであるが、マントル試料中の濃度が極めて低いため、試料の微細構造等と対応させた局所分析が困難であった。本研究の学術的意義は、希ガス質量分析計を高感度化することで局所分析と微小試料の分析を可能にし、従来よりも精緻にマントルの化学的不均質の進化過程を明らかにしたことにある。本研究で開発した技術は、火山岩中の斑晶に残されている、火山噴火につながるマグマの混合や脱ガス等の過程の解明や、惑星探査機で持ち帰った微小な地球外天体試料の分析に応用できると期待されるため、火山防災や惑星探査の観点で社会に貢献できると期待される。
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