研究課題/領域番号 |
20K20532
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分19:流体工学、熱工学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長谷川 洋介 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30396783)
|
研究分担者 |
中嶋 洋行 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10467657)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 10,010千円 (直接経費: 7,700千円、間接経費: 2,310千円)
|
キーワード | 血流シミュレーション / ナノメディシン / ライブイメージング / ゼブラフィッシュ / セブラフィッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,胚が透明であり,生体内輸送現象のライブイメージングが可能である,ゼブラフィッシュを用いて,がん細胞,その周辺の血管構造,血流分布,ナノ粒子の輸送・集積過程の同時計測を行う.更に,複雑な血管網内部における血流と血球の連成シミュレーション,血管内壁や細胞間質における輸送プロセスのモデリングを実施し,上述の実験から得られるライブイメージングとの詳細な比較を通じて,生体内ナノ粒子輸送の数理モデルを構築する.最終的には,ナノ粒子のサイズ,形状,物理化学的性質を最適化する数理設計ツールを構築を目指す..
|
研究成果の概要 |
ゼブラフィッシュの共焦点画像から毛細血管3次元構造を再構築し、得られた3次元構造、および各断面における赤血球の動画を深層学習に組み込むことによって、3次元毛細血管構造内部の3次元血流場の推定を行うための方法論を提案し、その予測精度を検証した。また、散逸動力学法による血流解析を実施し、血液中の赤血球と血漿の複雑な相互作用を再現し、その妥当性をライブイメージング動画との比較により検証した。実験においては、ナノ粒子の表面に異なる長さのPEGを被覆することにより、ナノ粒子の血液中の滞留時間を制御できることを示した。これらの知見は、ナノメディシンで用いる粒子の最適設計に大きく寄与することが期待できる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで毛細血管内部における赤血球や血漿の相互作用やナノ粒子の挙動については、十分な知識が得られておらず、そのことが狙った患部に薬剤を選択的に届けるドラッグデリバリーシステムの確立の大きな障害となっていた。本研究では、ライブイメージングが可能なゼブラフィッシュを生体モデルとして、その内部にナノ粒子を注入し、その血管内の流動特性を直接観察する技術を構築するとともに、赤血球の動力学を考慮した数理モデルの構築、および計算コードの開発を実施した。本研究で構築したツールは、ドラッグデリバリーシステム構築のためのナノ粒子最適設計に大きく貢献することが期待される。
|