研究課題/領域番号 |
20K20534
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大野 雄高 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (10324451)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2020年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / 電気化学センサ / 神経伝達物質 / リザバーコンピューティング / 物理リザバー / フレキシブルエレクトロニクス / 電気化学センサー / 表面修飾 / バイオセンサ / 表界面 / ストレスマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
ストレスに起因する様々なリスクの管理は極めて重要な社会課題であり、簡便かつ高精度な計測に基づくストレス評価技術を確立することが求められている。ドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質は標的細胞に興奮または抑制の応答反応を起こさせる生体分子であり、人の感情を制御し、ストレスマーカーとしても知られている。本研究では、ナノスケールの吸着現象に基づいて、従来の電気化学センサの限界を大幅に超えて高感度かつ選択的に神経伝達物質を検出する手法を開拓する。将来的には、例えば、唾液1滴から原因となる感情を含めてストレスを高度に評価する新技術の創出に繋がる。
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研究成果の概要 |
カーボンナノチューブ電気化学センサを用いた神経伝達物質の検出技術について、カーボンナノチューブ表面や金属ナノ粒子、フェニルボロン酸などの分子との相互作用を利用し、感度と選択性の向上を目指した。ドーパミンの検出において、金ナノ粒子の修飾によって感度が向上すること、フェニルボロン酸との反応性生物を検出することによりアスコルビン酸存在下においても選択的検出が可能であることを見出した。さらに、センサ内において機械学習を実現することを目的に、カーボンナノチューブ電気化学センサを用いてリザバーコンピューティング動作を実証するとともに、表面修飾により計算性能の向上が可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ストレスに起因する様々なリスクの管理は極めて重要な社会課題であり、簡便かつ高精度な計測に基づくストレス評価技術を確立することが求められている。特に本研究で扱ったドーパミンはストレスマーカーとして知られており、本研究の成果はこれを高感度かつ選択的に検出する技術である。将来的には、唾液からその場で瞬時にストレスを評価できる技術の実現につながるものである。また、本研究で実証した電気化学的なリザバーコンピューティングはセンサ内において機械学習を実現するものであり、センサにおいてバイオマーカの検出のみならず、ストレスや病気などの診断を可能とする技術の実現に繋がるものである。
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