研究課題/領域番号 |
20K20535
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 (2023) 豊橋技術科学大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
井上 光輝 東北大学, 電気通信研究所, 客員教授 (90159997)
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研究分担者 |
後藤 太一 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (00721507)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | スピン波 / 非線形 / マグノニクス / マグノニック結晶 / 二次元マグノニック結晶 / ロジック / 人工磁気格子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、スピン波の流れ制御に磁気的端面のない2次元人工磁気格子を用い、スピン波の非線形位相シフトでロジック演算を行う素子を新規に実現すると共に、非線形位相シフト量増大のために媒体構造をナノスケール化した非線形スピン波ロジック演算素子の性質の解明と、集積化に向けた要素技術の確立を目指すものである。我々は、スピン波の振幅制御で位相制御(非線形位相シフト)ができることに着目し、この機能を用いた非線形スピン波ロジック素子を着想した。本研究は世界に先駆け、2次元人工磁気格子ベースの非線形スピン波ロジック素子実現に挑戦し、当該分野に革新的ブレイクスルーをもたらそうとするものである。
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研究成果の概要 |
単結晶イットリウム鉄ガーネット(YIG)膜を用いて、スピン波の非線形位相シフトを活用した、複数のスピン波ロジック演算を実現する方法を実験及び計算によって検証した。非線形位相シフトによりスピン波の位相干渉をアクティブに制御することで、AND、OR、EXORなどの基本的なロジック演算が可能であることを示した。また、スピン波の位相干渉を利用し、スピン波の伝搬方向を自在に制御できる二次元マグノニック結晶も作製した。これらの成果により、集積スピン波回路の実現に有用な具体の素子およびその原理を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子回路の集積度が限界に近づきつつあることを背景に、スピン波を使った集積回路に期待が集まっている。一方で、電子回路を完全に代替できるような機能は実現されていない現状にある。本研究は、このような状況を打開するべく、これまであまり使用されてこなかった非線形応答をスピン波ロジック回路の素子に適用した場合の検討を実験と計算の両面から進めたものである。本研究によって、非線形位相シフトの位相干渉ロジック素子への適用例が示され、さらに、スピン波位相干渉を利用した二次元マグノニック結晶も実証されたことから、今後、この知見を利用したデバイス開発が進展すると期待される。
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