研究課題/領域番号 |
20K20536
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分21:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芹田 和則 大阪大学, 経営企画オフィス, 准教授 (00748014)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 15,600千円 (直接経費: 12,000千円、間接経費: 3,600千円)
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キーワード | テラへルツ / テラへルツイメージング / 細胞 / 非線形光学 / 機械学習 / SPoTS顕微鏡 / テラヘルツイメージング / 局所テラヘルツ分光 / 細胞計測 / ラベルフリー / 癌イメージング / テラヘルツ / 乳癌 / コメドDCIS / 非線形光学結晶 / テラヘルツ分光 / 非浸潤性乳管癌 / 光整流 / 浸潤性乳管癌 |
研究開始時の研究の概要 |
テラヘルツ光を利用した細胞計測では、細胞の機能性発現に起因した重要な情報を非侵襲かつ非標識で取得することができます。しかし、生理環境下でのテラヘルツ光の強い減衰と波長によって決定される空間分解能の低下により、計測や解析が非常に難しく、確証たる生物学的知見取得や具体的メカニズム解明には至っていません。本研究では、非線形光学結晶への超短パルスレーザー照射で生成する微小かつ高輝度なテラヘルツ点光源と試料とを直接相互作用させる手法をとることでこれら問題を克服します。この手法を利用して、テラヘルツ顕微鏡を構築し、生理環境下における細胞スケールでの多次元テラヘルツ分析とその応用利用開拓に挑戦します。
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研究実績の概要 |
テラへルツバイオ顕微鏡(SPoTS顕微鏡)を利用して細胞や微小な生体サンプルの計測とそれらの評価法の開発を行った。 本顕微鏡は、非線形光学結晶に波長1.5μm帯のフェムト秒レーザーを集光させ、2次の非線形効果(光整流)によりテラへルツ波を発生させる。この時、固浸レンズなどの高NAレンズを利用してレーザー集光を駆使することで微小且つ高密度なテラへルツ波点光源を生成できる。サンプルを結晶表面にセットすることでこのテラへルツ光源と近接相互作用し、2μmの空間分解能で分光イメージングができる。 細胞計測においては、顕微鏡の反射モードを利用することで、液中でも細胞の分光やイメージングが高感度でできることが分かった。また透過測定においても滴下量(液厚)を薄くすれば高感度で計測できることも分かった。テラへルツ波による細胞の直接計測は、テラへルツ波の水への強い吸収と空間分解能により難しいとされてきたが、本顕微鏡技術により初めて開拓することができたと考えている。この反射THzデータから細胞個々の複素光学定数を導出するプロトコルを構築した。取得したデータについて細胞個々の特性が現れており、現在も議論を行っている。微小な生体サンプルの計測では、前年度に引き続き、テラへルツトモグラフィーと機械学習などを利用した3次元画像復元プロトコルの構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
液中での細胞のテラへルツ分光・イメージングに成功し、さらにテラへルツ周波数領域における細胞レベルでの複素光学定数の算出ができたため、専門家らとも議論を着実に進めることができており、順調に進展していると考えている。 画像処理法についてもそのベースを構築することができており、既存の技術とも組み合わせて柔軟にデータ処理を行っていく体制が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータと既存技術によるデータとの比較を行い、テラへルツ領域における細胞個々の特性について議論を深める。また、本顕微鏡を利用して多種多様な細胞についても可能な限り計測し、議論を行いながら、テラへルツ領域における細胞の振る舞いについて開拓していく。 並行して画像処理法についても既存技術とを組み合わせながら精度の高い処理が行えるよう開発を進めていく。
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