研究課題/領域番号 |
20K20538
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分22:土木工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古関 潤一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30272511)
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研究分担者 |
京川 裕之 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60799865)
大坪 正英 国立研究開発法人土木研究所, 土木研究所(つくば中央研究所), 主任研究員 (80804103)
竹内 渉 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50451878)
渡邉 健治 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80425925)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 液状化 / 粒状体 / 微視的挙動 / 巨視的挙動 / 地盤工学 |
研究開始時の研究の概要 |
地震時に砂地盤が液状化すると、社会基盤施設や建築物に深刻な被害を引き起こす。液状化地盤の大変形は、有効応力がほぼゼロになった状態で進行しやすいことが知られているが、詳細な挙動は十分に解明されていない。そこで、自重の影響をほとんど受けずに極低拘束圧下での液状化挙動を評価できる特殊な装置を新規開発して粒状体の微視的・巨視的な挙動を高精度に計測し、これらを適切にモデル化することを目的とした研究を実施する。
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研究成果の概要 |
砂地盤が完全に液状化した際の挙動を解明し、その評価手法を抜本的に革新するために、水とほぼ同じ密度を有する高分子材料の丸棒を積層させた供試体の等体積繰返し二軸試験を高精度に行う装置を新規開発して系統的な試験を実施した。その結果、水浸条件下で自重の影響をほぼ受けない場合のほうが、乾燥条件下よりも小さな値まで拘束圧が低下し、その後の変形挙動も異なることを明らかにした。また、丸棒積層体内での相互力学作用を微視的にモデル化できる個別要素法を用いた数値解析を実施し、前述した試験結果を巨視的に再現できることを示すとともに、極低拘束圧下での各丸棒間の微視的接触状況が自重の有無によって異なることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地震時の砂地盤の液状化は各種の社会基盤施設や建築物に被害をもたらすが、液状化地盤の極低拘束圧下でのせん断変形挙動の高精度計測は容易ではない。本研究では、極低拘束圧下での巨視的な挙動を高精度に計測できる室内試験方法を開発し、さらに、このような挙動とその根源となっている微視的な相互力学作用を個別要素法で評価できることを明らかにした点で学術的な意義を有する。また、砂の間隙を水で飽和させる通常の液状化試験では供試体全体を極低拘束圧状態にできないために砂地盤が完全に液状化した際のせん断変形量を過小評価する恐れがあり、その程度について詳細検討が必要であることを示した点で、本研究の成果は社会的意義も有する。
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