研究課題/領域番号 |
20K20546
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分26:材料工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 晃司 京都大学, 工学研究科, 教授 (50314240)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 13,650千円 (直接経費: 10,500千円、間接経費: 3,150千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 強誘電体 |
研究開始時の研究の概要 |
膨大なペロブスカイト化合物の中で,反転中心のない構造をもつ物質は5%に満たず,応用分野も限定的であった.これは,金属元素-酸素間の共有結合形成に基づく同じ設計指針で物質開拓が行われてきたためである.この状況を一変させたのが,層状ペロブスカイトを対象とした新しい機構の登場である.研究代表者は,ペロブスカイト関連酸化物における酸素八面体回転によって結晶構造の反転対称性が破れることを初めて実証した.さらにこの原理を拡張して,従来の直接型強誘電体とは異なる物質群,すなわちハイブリッド間接型強誘電体を発見した.本研究では,強誘電体物質科学の新展開を目指して,層状化合物の設計,合成及び機能開拓に取り組む.
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研究成果の概要 |
本研究では、層状ペロブスカイト酸化物における結晶学軸周りの酸素八面体回転・傾斜を制御して、新規圧電体および強誘電体を開拓した。たとえば、La2SrSc2O7では、二種類のAカチオンの無秩序配列が酸素八面体回転を誘起し、極性構造の形成をもたらすことを見出した。加えて、この化合物が強誘電体であることを初めて実証した。この他にも、AgRTiO4(R は希土類)が酸素八面体回転により圧電体となることが明らかになった。また、a 軸とb 軸に沿って負の熱膨張が生じることを見出した。二軸の負の熱膨張の原因として、Ag-O-Tiの共有結合を通じて酸素八面体が極度に変形する機構を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膨大なペロブスカイト化合物の中で強誘電体・圧電体は5%に満たず、応用分野も限定的であった。酸素八面体回転に基づく強誘電体・圧電体の物質設計では、元素選択の自由度が大きいため、この方向での物質探索により高機能性を有する新規材料が登場する可能性は大いにある。また、現在は鉛を含むペロブスカイト強誘電体Pb(Zr,Ti)O3が圧電素子として広範に利用されているが、環境保全の観点からこれを代替する無鉛圧電材料の開発が強く求められている。新しい機構に基づく新材料の開発はそのような産業界の要望にも応えることができる。
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