研究課題/領域番号 |
20K20549
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分27:化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 潤一郎 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (60218576)
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研究分担者 |
浅野 周作 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (30827522)
村中 陽介 京都大学, 工学研究科, 助教 (40756243)
前 一廣 京都大学, 工学研究科, 教授 (70192325)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 製鉄 / 廃鉄 / 鉄鉱石 / 溶解 / 塩化鉄 / 塩酸 / 炭素 / 合成ガス / バイオマス / 還元 / 塩化水素 / 鉄ナノ粒子 / カーボンナノファイバ / 鉄/炭素ナノ複合体 / 水素製造 / 炭素循環 / 鉄ー炭素コンポジット / 水蒸気ガス化 / トランプエレメント / 鉄・炭素コンポジット / 脱塩素 / 鉄の還元 / 元素サイクル / コプロダクション / 炭素材料 |
研究開始時の研究の概要 |
廃鉄、バイオマスおよびメタンをインプット、還元鉄、炭素材および化学原料としての合成ガスをアウトプットとするカーボンネガティブなシステムを概念実証する。本システムは鉄・炭素・酸素・水素・塩素の五つの元素が化学プロセス間を動き、とくに塩素は塩化鉄あるいは塩酸としてシステム内を循環し、メディアとして機能する。本システムの概念実証は、将来のカーボンネガティブな製鉄・化学が融合したコプロダクションおよび資源リサイクル産業の創出につながる。
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研究成果の概要 |
本研究は(P1)酸化鉄あるいは廃鉄の塩酸水溶液への溶解(鉄鋼石からの酸素除去、廃鉄の場合水素生成)、(P2)溶解した鉄の空気酸化による塩化鉄(III)の生成と他の金属元素からの分離・回収、(P3)塩化鉄・バイオマス混合物のペレット化、(P4)不活性雰囲気の加熱による塩素の塩酸としての完全脱離・リサイクルと還元鉄・炭素複合体の生成、(P5)同複合体表面におけるメタンの炭素ナノ繊維と水素への分解分離、(P6)還元鉄・炭素複合体と水蒸気の反応による合成ガス・高濃度還元鉄・炭素複合体(回転炉床法等における還元鉄原料)から成る新しい新製鉄法(コプロダクション)を提案し、全てのプロセスの概念を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は従来にない酸化鉄(鉄鉱石)の還元スキームを提案したものであるが、なかでも、塩酸水溶液による酸化鉄Fe2O3からの脱酸素、共存する他の遷移金属種との極めてシンプルな分離、親水性かつ多孔性有機物固体であるバイオマスへの高担持、バイオマス熱分解時に生成する還元性活性種による塩素の塩化水素への完全転換と金属鉄への還元のシーケンスの実証を通じて塩素と水素が関与する鉄還元のしくみを明らかにしたことは、カーボンニュートラリティが求められている製鉄の次世代技術、さらには、トランプ元素除去の困難さが問題となっている廃鉄のリサイクル技術に貢献できる知見として意義がある。
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