研究課題/領域番号 |
20K20552
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分28:ナノマイクロ科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 秀人 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00452425)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,610千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 5,910千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | ナノギャップ / 電子顕微鏡 / 原子スケールその場観察 |
研究開始時の研究の概要 |
新規物質の合成法の開拓は理工学のあらゆる分野で重要である。特にナノメータースケールでサイズ、構造、および機能を制御した物質を、機能を発揮したい環境においてその場で合成する技術が今後、必須となると考えられる。本研究では、ナノメーターサイズの空隙(ナノギャップ)において、固体と気体から、通常の環境では存在できない物質を、電子的な励起を制御することで人工的に生成・消滅させる方法を開拓する。
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研究実績の概要 |
ナノギャップにおける新規現象の発見、および新規物質の合成・合成条件の探索・確立を目指し実験を進めた。まず、電解研磨法とイオンミリングによって、ナノギャップの電極となるパラジウムと金の針を作製した。次に、作製した一対の金属針をTEMホルダーに向かい合わせに配置し、環境制御型透過電子顕微鏡(ETEM)内で一方の金属針をピエゾ素子で動かしてギャップ間隔を制御することでナノギャップ電極を形成した。形成したナノギャップ電極を真空中、酸素中、水素中、窒素中で電圧を印加しながらETEMその場観察し、その表面形状や原子スケール構造の変化のガス種および電界強度依存性を調べた。パラジウムナノギャップ電極においては、酸素および水素中で電圧を印加すると、正極表面のパラジウムが電界蒸発し、パラジウム原子が負極側に移動する現象が観察された。その電界強度の閾値は約5 V/nmであった。真空中では8 V/nmまで電界強度を上げても同様の現象は観察されなかったことから、酸素・水素ガス分子がパラジウム表面に吸着・反応することで電界蒸発し易くなっていると考えられる。同様の現象は金ナノギャップ電極に酸素中で電圧を印加したときにも観察された。この電極表面反応における局所的な電場の影響を調べるために、ナノギャップ電極先端近傍に形成される空間電位分布、空間電場、電極先端の表面電荷のシミュレーションを実施した。電極針先端の曲率半径ならびにギャップ間隔を系統的に変えることで、局所的に増強された電場の強度の変化を追跡した。その結果、金属電極表面の原子・分子ダイナミクスが電界強度と相関することを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの影響や主力装置の故障の修理に時間を要することもあったが、着実に研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
各種電極材料(金、パラジウム、白金等)と気体(酸素、窒素、水素、アセチレン等)の組み合わせについて、電圧印加時にナノギャップ電極におこる変化を系統的に調べる。組み合わせによっては、これまでに見出したパラジウムと窒素の組み合わせにおける窒化パラジウム(PdN)形成のような、新規現象、新規物質の合成を発見できると考えている。特に、炭素系ガス雰囲気下における新規現象の探索に注力して研究を進める。新規現象の発見、新規物質の合成に成功した場合、その現象の再現性の確認や合成条件の確立を目指す。ETEM観察時にナノギャップ電極でおこる現象に高エネルギー入射電子、二次電子、トンネル電子のどれが関与しているのかを明らかにし、合成メカニズムの解明を目指す。また、金属針と酸化物基板で作成したナノギャップをETEM観察することにより、新規現象の探索に取り組む。
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