研究課題/領域番号 |
20K20553
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分29:応用物理物性およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢嶋 赳彬 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (10644346)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 21,580千円 (直接経費: 16,600千円、間接経費: 4,980千円)
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キーワード | 固体電気化学 / プロトン / 酸化還元 / 水素化 / 律速過程 / 酸化タングステン / パラジウム / 酸化チタン / 低電圧スイッチ / 相転移 / 低電圧 / 熱揺らぎ |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の超低消費電力な情報処理ハードウェアを考えた時、究極的には0.1V領域で動作す る電子デバイス群が必要だと考えられる。0.1Vエレクトロニクスの新分野を開拓するために、材料物性に基づくデバイス開発に挑戦する。最大の難問は、室温では個々の電子が絶えず0.025eVほど熱励起されるため、0.1Vでは充分な制御が行えないことである。そこで一次相転移が示す「集団性」を利用して個々の熱励起の影響を抑制する。さらに相転移を効率的に電圧制御するため、固体中のプロトン自由度を活用する。これによって、0.1V-CMOSデバイスと確率的に動作する揺らぎ素子の0.1V動作の実証を目指す。
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研究成果の概要 |
プロトンを用いた2端子素子を作製し、0.1Vの微小電圧による揮発的な電気伝導度変調を実現した。本素子は揮発的なメモリ効果を必要とするリザバーコンピューティングへの応用が期待できる。一方で0.1Vにおける電気伝導度変化は数分の時間スケールで起こり、界面におけるプロトンの熱活性障壁が律速していることが示唆された。今後はこの熱活性障壁のエンジニアリングが必要であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報処理デバイスとして電子デバイスが主に利用されており、電子の素早い動きが情報処理の高速性を担保している。一方で今後エッジデバイスを中心に、ヒトと相互作用する情報処理システムのニーズが拡大していくと考えられ、電子が苦手とする秒スケールの遅い処理をなるべく低消費電力に行うことが求められると思われる。そのような新しい社会ニーズを見据え、遅い情報処理を超低消費電力に行うためのプロトンデバイス研究を行った。電気化学的に酸化物薄膜内でプロトンを制御することで、低消費電力かつ遅いデバイス動作を実現できることを明らかにした。
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