研究課題/領域番号 |
20K20580
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
國枝 武和 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10463879)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2020年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
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キーワード | 乾燥耐性 / ゲル相転移 / クマムシ / ストレス / 細胞骨格 / 相分離 / ソフトマター / 弾性体 / 相転移 / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
クマムシは様々な極限環境に耐性を示し、乾燥時にはほぼ完全に脱水した無代謝状態に移行して耐える。しかし、こうした耐性能力の分子メカニズムには不明な点が多い。研究代表者は一群のクマムシ固有の耐性タンパク質が脱水ストレスに応答してダイナミックに局在を変化させ特有の形態構造を形成することを見出した。この構造変化は、これまで広く受け容れられてきた乾燥耐性の分子原理とは相容れない現象であり、新たな分子原理の存在が提起された。本課題では、こうした構造変化をもたらす分子的基盤を明らかにするとともに、この構造変化がおよぼす物性の変化、および生物学的耐性への寄与を解明し、新たな耐性分子原理の検証と提唱を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、これまでに同定してきた脱水ストレスに応答して可逆的に特有の構造体を形成するクマムシタンパク質群 T-DRYPs について解析することで、新たな耐性原理の検証と提唱を目指している。本年度は、まずこれまでに主にヒト培養細胞を用いて明らかにしていたストレスに応答して線維化するクマムシ固有の耐性タンパク質CAHS3について、クマムシ個体における挙動の解析を行った。まず、免疫組織化学を用いた超解像イメージングによりクマムシ成体において内在性CAHS3タンパク質は主に表皮細胞と体腔細胞に発現していることを明らかにした。さらに乾燥前後における細胞内の挙動を解析した結果、乾燥依存に細胞骨格様の密な繊維状ネットワークを形成することを見出した。さらに、同タンパク質のクマムシ個体における存在量がin vitroでゲル転移を引き起こすに足る濃度とほぼ同等であることを明らかにした。これらの結果はこれまでヒト培養細胞など異種細胞発現系で明らかにしてきたように、クマムシ細胞においても内在性CAHSタンパク質が乾燥依存に線維化しゲル転移を誘起することを示唆している。また、繊維化を可能にする構造基盤を明らかにするために、線維化能の異なるCAHSパラログ間のスワップ解析から繊維化能を規定する領域を絞り込んだ後、変異導入解析によって乾燥時に形成されるヘリックス構造における電荷アミノ酸の連続した局在が繊維化に決定的であり、静電相互作用が重要な形成基盤の1つであることを示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
線維化能の異なるCAHSパラログ間の比較・変異導入解析から当初予定していた線維化能を規定する構造基盤の解明を達成することができた。加えて、クマムシ個体におけるCAHS3タンパク質の挙動を解明し、これまで解明してきた脱水ストレスに依存した繊維ネットワーク形成がクマムシ細胞に起きていることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
CAHS を含む T-DRYPs について、それらの間・あるいは他の生体分子との相互作用の解析
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