研究課題/領域番号 |
20K20589
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
宮道 和成 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (30612577)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | トランスシナプス標識 / オキシトシン / 養育行動 / 社会性行動 / 交感神経 / 授乳 / 出産 / 摂食制御 / 社会行動 / 神経回路 / 狂犬病ウイルス / バーコード / トランスクリプトーム / コネクトーム / scRNAseq / 視床下部 / キスペプチン |
研究開始時の研究の概要 |
脳は膨大な種類のニューロンが自らの個性を踏まえて互いに連結した複雑な神経回路から構成されている.脳には何種類のニューロンがあり,異なる種類のニューロン同士はどのようなルールで繋がりあっているのか?その接続パターンはどのように進化するのか?――これら神経科学における中心的な未解明問題の前進に資するため、本研究ではシナプス前・後のニューロンの種類を網羅的に同定する新規手法を開発し,マウスにおける視床下部神経回路の雌雄差解析に適用する.また神経回路の進化を理解するため,同手法を非遺伝学モデル動物へと適用する.
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研究成果の概要 |
本研究は、一細胞レベルの解像度を持つトランスシナプス標識法や一細胞トランスクリプトーム技術を統合することで、動物の社会性行動の背景にある神経回路メカニズムの解明を目指した。父性養育行動の発動に伴い室傍核オキシトシンニューロンに対する入力が動的に変化することを見出し、雌マウスの妊娠期に特徴的な神経回路の再編を発見した。社会性不調の背景に室傍核の小細胞性オキシトシンニューロンの選択的脆弱性があることを見出し、この知見に基づく治療戦略を策定した。さらに脊髄の交感神経において腸管や副腎を制御する特定のトランスクリプトームタイプを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、発達後には不変と見なされがちであった視床下部に動的な神経回路の再編があることを明らかにした。将来的にその分子・細胞メカニズムの解明を通して、神経回路の操作技術に道をひらくものである。室傍核のトラスクリプトームタイプに特異的な脆弱性の発見は発達障害の理解に一石を投じ、潜在的な治療標的の存在を示唆するものである。さらに、臓器機能を制御する交感節前神経の分子遺伝学的同定は、臓器の協調的な制御の仕組みの土台を提供し、特定の臓器機能を選択的に制御する技術に繋がることが期待される。
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