研究課題/領域番号 |
20K20595
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 潔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20309446)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 腸内細菌 / プレボラ細菌 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに関節リウマチ患者の腸内細菌叢でPrevotella copriが増加していること、モデルマウスを用いて関節リウマチ患者由来のP. copriが関節炎の発症に関与することを示した。しかし、P. copriは、穀物や繊維類を主食とする地域の健常者の主たる腸内細菌叢である。そこで、患者及び健常人よりP. copriを単離し、そのゲノムを比較するとともに、関節炎の誘導能をマウス関節炎モデルを用いて解析する。さらに、関節炎を誘導する病原因子の同定を行い、関節リウマチが感染症の一つとして発症しうることを証明する。
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研究成果の概要 |
関節リウマチ患者の糞便から単離したP. copri(RA-P. copri)が、健常人由来P. copri (HC-P. copri)より重篤な関節炎マウスモデルで惹起した。RA-P. copriは樹状細胞を強く活性化しTh17細胞を多く誘導したwhole genome sequenceを実施し、RA-P. copri株には、約100 kbのゲノム領域が挿入されていることが明らかになった。このゲノム領域は、ドランスポゾンに特有の配列を有していた。これらの結果から、RA-P. copriは、水平伝播により本領域を獲得していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、関節リウマチ患者には、関節炎を強く誘導するP. copri(RA-P. copri)が腸管内に多く定着していること、RA-P. copriには、健常人のP. copri (HC-P. copri)にはないゲノム領域が挿入されていることを見出した。本領域はHC-P. copriには存在しないことから、病原性を担っていることが示唆された。以上の結果は、関節リウマチが病原性を有するプレボテラ菌の腸管内定着(感染)により発症することを示しており、今後、本病原性プレボテラ菌を標的とした関節リウマチの治療、予防法の開発につながるものと考えられ、その学術的、社会的意義は大きいものと考えられる。
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