研究課題/領域番号 |
20K20597
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加藤 光保 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20194855)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 生物発光共鳴エネルギー移行 / 多色イメージングシステム / 幹細胞誘導 / オルガノイド培養 / 幹細胞性誘導 / がん / がん幹細胞 / 細胞増殖 / 3次元培養 / イメージング / GPNMB |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生物発光共鳴エネルギー移行 Bioluminescence Resonance Energy Transfer (BRET)を用いた幹細胞性(OCT4, SOX2, NANOG)と細胞増殖(MKI67)のレポーターを発現するがん細胞を作製して、発光顕微鏡を用いたライブイメージングを可能にし、総細胞数、増殖細胞数、非幹がん細胞の累積分裂回数、幹細胞数、幹細胞の累積分裂回数(均等、不均等)ならびに非幹がん細胞に幹細胞性が誘導される幹細胞性誘導によるがん幹細胞の累積増加数を自動で計測・表示するソフトウエアを開発して、がん細胞の持続的増殖は幹細胞性誘導に依存するという仮説を検証する。
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研究実績の概要 |
1. GPNMB、PMEPA1/TMEPAI、TSC22 Homologous Gene-1 (THG-1)などの遺伝子のノックアウトまたはノックダウンによって、幹細胞遺伝子の発現誘導が失われ、これと共にスフェアや腫瘍形性能が失われることを示した。最初、トリプルネガティブ乳癌細胞を用いて発見したGPNMBとPMEPA1/TMEPAIによるこの現象は、膵癌細胞でも同様の結果となることを確認した。GPNMBのノックアウト細胞は樹立できず、GPNMBは、がん細胞のコロニー形成性増殖に必須であることが示唆された。 2. ヒト喉頭がん組織においては、GPNMBの発現が高い細胞は、Ki-67陰性の増殖が停止している細胞であることを示した。ヒト喉頭がんでもGPNMBは、増殖が停止している癌細胞で発現し、悪性化に関与していることがパブリックデータベースにおける予後解析で示された。 3. GPNMBは特殊な翻訳後就職を受け、この領域がリガンド分子の結合部位となり、細胞表面に移行すると受容体として機能して、幹細胞誘導に関与する機構を示した。また、GPNMBの機能には、増殖因子のシグナルによる細胞内ドメインのhemITAMのチロシンのリン酸化と共にセリンのリン酸化も必要であることを示した。 4. 遺伝子導入を行なっていない患者由来がん細胞のオルガノイド培養のライブイメージングで、GPNMBに結合する特殊環状ペプチドを用いたがん幹細胞の検出を行い、GPNMBを標的とする抗体の作製を行った。 5. MKI67-Red eNLを発現する乳がん細胞の作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OCT4、SOX2、NANOGのプロモーターを用いたシステムでは、幹細胞遺伝子の発現と必ずしも重ならないことが示され得たため、SALL4と蛍光タンパク質の融合タンパク質を用いたレポーターも作成して追加で検討する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
1.GPNMB、TMEPAI、TSC22 Homologous Gene-1 (THG-1)などの幹細胞性誘導能をもつことを示した遺伝子のノックアウトによって、スフェアや腫瘍形性能が失われることを細胞増殖動態の変化のイメージ解析によって実証する。幹細胞のマーカーとして、これまで作成したOCT4、SOX2、NANOGのプロモーターを用いたシステムに加え、SALL4と蛍光タンパク質の融合タンパク質を用いたレポーターも作成して検討する。 2.遺伝子導入を行なっていない患者由来がん細胞のオルガノイド培養のライブイメージングならびに患者由来異種移植腫瘍細胞のフローサイトメトリーで、特殊環状ペプチドまたは抗体を用いた増殖がん細胞とがん幹細胞の動態に関する定量的な解析を行い、通常の抗がん剤とGPNMBまたはTMEPAIの機能阻害薬を作用させた時の差異を可視化する。 3.患者検体のがん細胞の増殖動態と抗がん幹細胞治療薬に対する反応性を解析するコンパニオン診断システムを構築し、がん幹細胞標的治療薬の選択方法として確立する。
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