研究課題/領域番号 |
20K20599
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 知成 京都大学, 工学研究科, 准教授 (50273488)
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研究分担者 |
大橋 真也 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (20435556)
武藤 学 京都大学, 医学研究科, 教授 (40360698)
萩原 義久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究部門長 (50357761)
赤澤 陽子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (50549897)
井倉 毅 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (70335686)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 抗体配列進化追跡法 / 抗体親和性成熟 / 癌抗体 / 抗体スクリーニング / 抗体レパトア解析 / 抗がん抗体 / 抗体配列進化 / 食道癌 / 重鎖・軽鎖組合せ |
研究開始時の研究の概要 |
癌治療薬として、抗体医薬品は有望な選択肢の一つであるが、その開発には非常に多くの段階があり、より効率的な開発スキームが求められている。そこで本研究では全く新しい抗がん抗体開発スキームを提案したい。具体的には、我々が開発した抗体配列進化追跡法を用いて、癌患者の血液から抗がん抗体配列を予測し、実際にそれら抗がん抗体候補を試作して、その抗がん活性を評価する一連の実証試験を行う。この開発スキームは、煩雑な動物への免疫操作やファージディスプレイなどの実験操作は一切不要で、迅速な抗体開発が可能であるばかりではなく、あらかじめ創薬のターゲットを決めないので、新しいがん治療のターゲット分子の発見も期待できる。
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研究成果の概要 |
抗がん抗体はCAR-T細胞療法など未来の癌治療に欠かせない存在である。しかし、魅力的なターゲット分子の枯渇により、新規抗がん抗体の開発は停滞している。われわれは独自の抗体スクリーニング法「抗体配列進化追跡法」を用いて、癌患者の血液解析により抗がん抗体を取得することを目指して研究を行った。本研究ではまず、抗体配列進化追跡法の解析アルゴリズムに改良を加え、少ない計算量でより正確にヒット抗体を同定できるようにした。また、抗体の重鎖と軽鎖の組合せ決定法の開発を行った。これら方法を用いて、放射線治療を受ける食道癌患者の血液から、17種類の抗癌抗体候補の配列を取得し、試作した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が目指すのは、クリニカルバイオバンクなどに保管されている癌患者の血液や癌組織から直接有用な抗癌抗体を数多く取得する体制を整えることである。本研究により抗体配列進化追跡法による抗癌抗体開発スキームを一通り実施し、改良を加えたことにより、本開発スキームが実用化に一歩近づいたと言える。本方法の最大の特徴は抗体開発に抗原を用いないことであり、ターゲット分子がわからなくても抗癌抗体が取れることである。今後、この抗体を用いて癌抗原を濃縮、決定する方法を開発することで、癌の新たな創薬ターゲットの発見も期待できる。
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