研究課題/領域番号 |
20K20604
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2021年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2020年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
|
キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 腸内細菌 / ミトコンドリア / フェニル硫酸 / 糖尿病性腎症 / チロシン / 腸内細菌酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌由来の代謝物“フェニル硫酸(PS)”がDKDの進展と蛋白尿に相関することからPSを低下させることがDKD特の異的治療となりうる。また細菌にしかない酵素を阻害することは宿主の代謝系に影響がない治療法となる。透析患者は現在 本邦で33万人を超えその4割を占めるDKD患者の進行を制御する治療法の確立は医療経済上も臨床上も望まれる“挑戦的”研究課題であり社会的ニーズは高い。
|
研究成果の概要 |
研究者は糖尿病ではフェニル硫酸(PS)が腸内細菌がチロシンから産生され糸球体障害を起こしアルブミン尿を惹起すること、さらに糖尿病患者コホートでは血中のPS濃度が高い患者ではアルブミン尿が増悪し2年後の予後が悪いことを明らかにし、血中PS濃度を下げるとアルブミン尿が減少し腎機能が改善するという新たなDKDの治療概念を提示した(Kikuchi K. Nat. Commun ;10: 1835, 2019)。そこで本研究では糖尿病患者においてPS産生メカニズムを酵素レベル、菌体レベル、動物レベルで解明し、血中PS濃度を低下させる新たなDKD治療法の開発を目的とし糖尿病性腎症の治療法を開発した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎臓病(DKD)は本邦で1000万人を超える糖尿病患者の約20%に発症し導入透析患者の4割を占める。そのため、DKDを発症して重症化する糖尿病患者を早期に選別して積極的に治療介入する方法は透析患者を減らし、莫大な医療費の削減効果をもたらす。現在のところDKDに特異的な治療法はない。厳格な血糖管理とレニンーアンジオテンシン系阻害剤による血圧管理といった一般の糖尿病・高血圧患者の治療が有効とされ行われるが、なお、DKDの発症と進行は十分に阻止できていない。本研究により糖尿病性腎臓病の減少がもたらされることにより透析導入患者数を減少させ医療費の削減がもたらされる可能性がある。
|