研究課題/領域番号 |
20K20610
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉富 啓之 京都大学, 医学研究科, 准教授 (50402920)
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研究分担者 |
上野 英樹 京都大学, 医学研究科, 教授 (50850442)
濱西 潤三 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80378736)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | T細胞 / CXCL13 / PD-1 / 子宮体がん / がん微小環境 / T細胞分化 / Tph細胞 / 炎症性サイトカイン / B細胞 / 症性サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでにヒト検体を用いた研究より、炎症環境下でケモカインCXCL13を産生する新たなCD4T細胞分画(Tph細胞)を同定しその機能を明らかにしてきた。本研究ではこれまでのT細胞研究をがん免疫研究に応用し、がん組織に存在するCXCL13を産生するCD4およびCD8陽性T細胞の分子機構を解明する。これらの細胞のがん抗原特異性とともに表現型や抗がん作用を明らかにすることを目的とし、さらにその分化機構と抗がん作用を制御することで新たながん治療をめざす。
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研究成果の概要 |
子宮体がん組織T細胞に対してscRNA-seq解析を行い、がん組織においてはPD-1+CD39+CD103+CD8+T細胞がCXCL13を産生することが示された。更に自己免疫疾患である関節リウマチ滑膜T細胞のscRNA-seqデータと統合・比較し、がん組織におけるT細胞に対する微小環境解析とT細胞分化への影響を解析した。T細胞受容体配列に基づくクロノタイプ解析を行い、PD-1+CXCL13+ CD8+T細胞に高度なオリゴクローナル増殖を認めた。さらにFoxP3+CD8+T細胞集団の同定も行い、このTCRはPD-1+CXCL13+CD8+T細胞と高度に共有されていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は申請者がこれまで行ってきたヒト検体を用いた炎症環境下におけるT細胞研究をがん免疫に応用し、ヒトがん微小環境に存在するT細胞で上昇しているパスウエイや、それらがT細胞分化に及ぼす影響を明らかにした。さらにTCRクロノタイプ解析より、PD-1+CXCL13+CD8+T細胞が高度にオリゴクローナルな増殖をきたすこと、一部がFOXP3+CD8+T細胞とT細胞受容体配列を共有することを示した。マウスのT細胞はCXCL13を産生しないことが知られており、CXCL13を産生するヒトT細胞にアプローチする本研究の成果はマウスモデルではすすめることが困難な独創性の高いものである。
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