研究課題/領域番号 |
20K20616
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 昇太 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (90432434)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 感染症 / メタゲノミクス / 病原細菌 / 抗酸菌 / 微生物 / 病原体検出 / 次世代シークエンス / 医療システム / クラウドコンピューティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、ナノポアシークエンス技術を用いて、感染症発症の現場で網羅的な病原体同定結果が得られるメタゲノミックタイピング手法の研究開発を行う。これまでもナノポアシークエンス技術を用いたその場解析が強調されてきたが、それらの多くがその場でシークエンスだけを行っており、実際はデータを取得後、研究室に持ち帰り大型計算機で解析しているが、これではその場解析手法とは言えない。本研究課題では最新のネットワークコンピューティングモデルと遺伝情報解析手法を組み合わせて、真にその場で病原体のタイピング結果が得られるシステム開発を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題ではOxford Nanopore Technologies社のシークエンス技術を用いて、感染症発生の現場でオンサイトに解析を行い、その場で網羅的な病原体同定結果が得られるメタゲノミックタイピング手法の研究開発を行った。構築した病原体同定のクラウドコンピューティングシステムを活用し、非結核性抗酸菌の同定を行った。この取り組みにより、従来法では同定不可能であった症例からMycobacterium senriense という新種の発見や菌種レベルの同定において99.1%の精度を示し、84.5%を亜種レベルで同定したMGIT-seqという手法論を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症対策の初動の基本は病原体同定であり、究極的な病原体同定手法としては感染症が発生しているその場所で、あらゆる病原体の同定を行うことが望ましい。そこで新たにポータブル型の次世代シークエンス技術による非結核性抗酸菌(NTM)の同定システムの構築を行った。本研究成果で得られた方法論であるMGIT-seqは菌種レベルの同定において99.1%の精度を示し、84.5%を亜種レベルで同定した。このMGIT-seqは、非結核性抗酸菌の網羅的な種同定を達成し、臨床現場における単一の検査による亜種同定と肺NTM症治療戦略の決定に適用できる可能性がある。
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