研究課題/領域番号 |
20K20617
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大山 要 長崎大学, 病院(医学系), 教授 (50437860)
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研究分担者 |
石川 岳志 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80505909)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380862)
川尻 真也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (20457576)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2020年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 健診コホート / 免疫複合体 / 人工知能 / 関節リウマチ / 先制医療 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は自己抗原による慢性炎症で関節破壊がおき介助・介護が必要となる疾患である。RAには、高い効果が期待できる医薬品が登場したが、高額な費用が必要となる。その一方、こうした医薬品で効果が認められない患者もいる。つまり、治療薬の進歩は医療費の高騰と治療不応患者の孤立化という社会問題も生み出し、RAはこの問題が顕在化した疾患の一つである。本研究は未病期から発症にかけて増加し続ける疾患原因分子を特定し、疾患予備群を早期に抽出・予防治療する先制医療(個人ごとに設計された予防医療)を構築することで抜本的な問題解決に挑戦する。この成果は、RAにとどまらず多くの疾患の先制医療に波及する。
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研究実績の概要 |
離島コホートの血清検体に含まれる免疫複合体抗原の一斉同定結果(2021年度解析分を含む)をもとに、RA超早期から出現する抗原の特定を試みた。最終的に56名の離島コホート64検体を解析した。なお、全検体が抗シトルリン化ペプチド抗体陽性であった。過去に解析した早期RA、全身性エリテマトーデス、強皮症、シェーグレン症候群で検出された免疫複合体抗原を比較対照とした(Ann Rheum Dis 2012;Clin Biochem 2015;Clin Exp Immunol 2021;J Autoimmun 2023)。離島コホートでは447種類の免疫複合体抗原が同定された。このうち、比較対照群で検出されず、離島コホートのみで検出される免疫複合体抗原が2種類特定できた。この免疫複合体抗原は早期RAでも検出されなかったため、抗シトルリン化ペプチド抗体陽性ではあるが、症状が現れる(早期RA)前の超早期RAに特徴的なものと考えられた。さらに、シトルリン化タンパク質に絞った免疫複合体抗原解析についても同様の比較を行い、超早期RAに特徴的または特異的なシトルリン化配列(ペプチド)の特定を継続中である。他方、上記の解析で得たMSスペクトル、MS/MSスペクトルのシグナル強度を利用してラベルフリー定量を行った。個々の免疫複合体抗原の量を示すデータであり、疾患/免疫複合体抗原/量に基づく特徴付けを人工知能解析で進めている。また、架橋質量分析法を応用して、自己抗原化における異常本体である抗原決定基(エピトープ)を特定する方法を開発した(投稿論文英文校正中)。この手法を用いて、上記の特徴的な免疫複合体抗原のエピトープ特定を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初からのCOVID-19による研究室稼働率低下の影響が遷延している。
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今後の研究の推進方策 |
通常の研究室稼働に戻っている。研究に参加する学生(本研究の一部は薬学部学部生の卒業研究を兼ねている)の数を倍増するとともに、効率的・効果的な研究を意識して次年度中の研究完了を目指す。
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