研究課題/領域番号 |
20K20627
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
梶本 裕之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (80361541)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2023年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2022年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 触覚 / 皮膚感覚 / バーチャルリアリティ / ヒューマンインタフェース / 力覚 / ウェアラブル / ウエアラブル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は迫真的な触力覚提示の開発である.本研究は次の3つの着眼点を持つ.第一は「指先で触れる際の触力覚は指先に提示される必要はないのではないか」というものである.第二は「当初は不自然でも,必要十分な情報を提示することで後天的に自然と思える触力覚提示が実現できるのではないか」というものである.第三は「異部位提示が実は人の能力を超えた触覚情報提示を実現するのではないか」というものである.本研究は次の4つの段階を経る.第一に異部位触力覚提示の要素技術の確立である.第二に異部位に提示された触覚と力覚の融合方法の検討である.第三にVR環境内での有効性の検証,第四に実世界環境における実証である.
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研究成果の概要 |
本研究は指先への触覚提示が本質的に抱える課題であるサイズ上の課題に対して、指先で触れて感じる触力覚を、指先以外の身体部位に提示する異部位提示(触覚転移)によって解決を図った。デバイス開発においては指先に感じるべき触覚を額や前腕に提示する手法を高品位化するとともに、従来知られていなかった電気刺激による額への温度感覚提示等の手法を新たに開発した。また皮膚感覚提示によって力覚を生じる新たな現象を電気触覚ディスプレイにおいて見出した。さらにVR環境および遠隔環境を用いた評価実験により、本来指先に感じるべき触覚を額や背中へ提示した場合に操作主体感が損なわれないことを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は従来の触覚提示研究が暗黙の了解としてきた「手による操作の触覚フィードバックは手に行われる」という前提を見直し、現在の頭部搭載型ディスプレイに無理なく組み込める形で触覚提示を行った際に、少なくとも主観的な操作感が損なわれないことを示した点で、今後のバーチャルリアリティにおける触覚の扱い方を問い直すという社会的意義がある。また新たに発見された複数の触覚提示手法、例えば電気刺激によって額に冷覚を生じうるという知見や振動提示によって圧覚を生じうるという知見は、今後学術的により深く探求すべき課題を見出したものと言える。
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