研究課題/領域番号 |
20K20628
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長原 一 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 教授 (80362648)
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研究分担者 |
香川 景一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30335484)
日浦 慎作 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40314405)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2023年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | コンピュテーショナルフォトグラフィ / ディープオプティクス / プライバシー / プライバシ |
研究開始時の研究の概要 |
カメラで人を観測することでのプライバシー問題が社会問題化している。本研究ではセンサ上の光学像そのものをスクランブルする暗号カメラを提案する。センサでのサンプリング前にシーンを第三者に理解できない形へ光学的にスクランブル化し、符号化読み出しを行うことで、画像がデジタル化される前のセンサレベルでのビジュアルプライバシー保護を実現する。また、暗号カメラで撮影された暗号画像から復元を介さず、直接認識する新たな画像認識フレームワーク「暗号画像認識」を提案し、そのモデルや学習手法についての研究を行う。
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研究実績の概要 |
Society5.0社会実現が叫ばれる中、ビッグデータ活用はサイバースペースにとどまらず、実世界でのユーザの行動履歴をカメラなどで取得し、活用することが期待されている。現在、携帯電話やスマートスピーカなどの様々なIoT機器はカメラを搭載し、深層学習による画像認識の精度が向上したことから、このような実世界情報のセンシングや活用が現実味を帯びてきている。一方で、カメラで人を観測することでのプライバシー問題も社会問題化している。本研究ではセンサ(撮像素子)上の光学像そのものをスクランブルする暗号カメラを提案する。センサでのサンプリング前にシーンを第三者に理解できない形へ光学的にスクランブル化し,符号化読み出しを行うことで、画像がデジタル化される前のセンサレベルでのビジュアルプライバシー保護を実現する。また、暗号カメラで撮影された暗号画像から復元を介さず、直接認識する新たな画像認識フレームワーク「暗号画像認識」を提案し、そのモデルや学習手法についての研究をおこなう。これまでのカメラは、レンズにより像をセンサ面に集光し、ぼけのない画像輝度を均一な矩形配置の画素でサンプリングすることを前提に設計されてきた。本研究で提案する暗号カメラは、レンズを用いず光学マスクによりスクランブルし、ランダムや加算読み出しをおこなうことから、従来のインパルスサンプリングやナイキストサンプリングとは全く異なる新たなセンシングアプローチの提案であると言える。さらには、従来の暗号化は、デジタル化されたものを前提としてきたが、光学系や電子回路を用いたアナログ的暗号化を行う点も斬新である。さらには、画像をデジタル化する前に暗号化するセンサレベルのプライバシー保護を提案している点が、これまでなかった画期的な点である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,符号化カメラの画像からプライバシーを保護しながらアクション認識を行う研究を行なった.カメラの光学ボケやセンサの量子化パラメータ,イベントカメラのパラメータを認識器と共に最適化することで,認識率を落とすことなく,画像の視認性を悪化させることで,撮影画像の見かけのプライバシーを保護できることを示した.この研究成果を国際会議にて発表を行なった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,光学パラメータとしてボケのサイズのみを最適化の対象としていたが,本年度は本研究の提案である符号化パターンの探索を行う.パターンをも最適化することで,さらに大きなボケを実現しながら,高いアクション認識の性能をバランスを実現する.
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