研究課題/領域番号 |
20K20631
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分62:応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
雨宮 隆 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (60344149)
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研究分担者 |
中村 和幸 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (40462171)
山口 智彦 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 特任教授 (70358232)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
2020年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | がん細胞 / アストロサイト / 解糖系振動 / 代謝振動 / 細胞共生 / ANLS仮説 / ニューロン / 乳酸輸送 / 因果性 / 乳酸代謝 / CCM解析 / 時系列振動 / ミトコンドリア / 膜電位振動 / 時系列データ / 因果関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は脳細胞のエネルギー代謝で提唱されているANLS(Astrocyte Neuron Lactate Shuttle)仮説の真偽を脳細胞のネットワークレベルで見極め脳の乳酸代謝が脳機能に果たしている役割を解明する挑戦的研究である。ANLS仮説とはアストロサイトとニューロンが乳酸の輸送を介して共生的糖代謝を行うメカニズムであり,ANLS仮説が正しければ乳酸輸送に関わる細胞間にはdonor-accepterの因果関係が成り立つはずである。本研究では1細胞レベルの糖代謝振動を計測し,脳細胞ネットワークにおける糖代謝振動の時間・空間的因果関係を統計学の手法であるGranger解析を用いて解明する。
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研究成果の概要 |
本研究によりニューロン/アストロサイト混合系を確立することができたが,解糖系振動を観察するには至らなかった。実際の脳細胞の構造に近い内皮細胞を加えた混合培養系が有効であると推察した。脳細胞ネットワークのかわりに,ヒト子宮頸がんHeLa細胞の単培養系における代謝的相互作用の因果性を,Cross Convergent Mapping法を用いて解析した。その結果,HeLa細胞集団に複雑ネットワークの特徴を有するクラスター構造が検出された。本研究により,ANLS(Astrocyte-Neuron Lactate Shuttle)仮説を検証するための実験系の指針と因果性解析手法を確立することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳酸は糖代謝で産生する代謝中間体であり,脳のエネルギー代謝において特に重要な物質である。しかし,乳酸が脳機能に果たす役割には不明な部分が多い。例えば,乳酸は,脳の高次機能の発現に必要とされる一方,精神疾患にも深く関連している。乳酸が脳機能に果たす役割を解明するためには脳内の乳酸代謝動態を明らかにすることが必要である。本研究は,脳細胞における乳酸代謝動態を説明するANLS(Astrocyte Neuron Lactate Shuttle)仮説を検証するための実験手法ならびに代謝振動データの因果性解析手法を初めて開拓したことから,大きな学術的ならびに社会的意義を有するものである。
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