研究課題/領域番号 |
20K20635
|
研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
清 和成 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80324177)
|
研究分担者 |
中島 典之 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (30292890)
古川 隼士 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (90632729)
Amarasiri Mohan 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50815537)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
|
キーワード | 環境RNA / 環境DNA / 衛生動物 / 感染症 / 感染症対策 |
研究開始時の研究の概要 |
世界中で度々問題となっている各種の感染症を媒介する衛生動物をモニタリングすることは、衛生学的観点から安全・安心な社会構築につながる。しかし、衛生動物は一般に人目につかない場所に営巣、棲息しており、目視や捕獲調査などによる方法は多大な労力を要する。研究代表者らは環境DNAの適用により、国内外で衛生動物のモニタリング研究を実施しているが、環境DNAの寿命は比較的長いため、標的生物由来の環境DNAの検出が、当該生物が今まさに存在していることを必ずしも保証せず、時間的感度に問題があると考えられる。そこで、本研究ではより寿命の短いRNAに着目し、環境RNA分析によって衛生動物を監視する手法を開発する。
|
研究成果の概要 |
近年、衛生動物が媒介する感染症が世界中で問題となっている。感染症を媒介する衛生動物は、一般的に比較的人目につかない場所に棲息しており、目視や捕獲等の従来法によるモニタリングには多大な労力を要することになるため、環境DNA(eDNA)およびeRNAに着目した衛生動物モニタリング手法の開発を目指して一連の研究を実施した。 eDNAおよびeRNAの濃縮精製条件を比較検討し、好適条件を明らかにして衛生動物のモニタリング手法として確立した上で、住血吸虫の中間宿主貝を対象とした検出の時間的感度評価を実施した結果、eRNAによって衛生動物の存否を時間的に高感度で判別できる可能性を示すことができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
環境RNA(eRNA)を衛生動物のモニタリングに用いようとする研究は世界中を見渡してもほとんどなく、本研究で得られた成果は、eRNAがこの目的に対して、検出の時間的な感度としての優位性をもつ優れた指標となりうることを示した点で学術的価値が高いものと考えている。社会的な意義としては、従来多大な労力を求められてきた衛生動物のモニタリングに簡便な手法を提案することができたことから、各種の感染症を未然に防ぐ上で基本となる衛生動物の存否や生息状況を評価するための新たなツールの提供を通して、感染症の観点から人の安心・安全な生活環境の構築に向けて貢献できる成果が得られたものと考えている。
|