研究課題/領域番号 |
20K20645
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
中西 淳 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (60360608)
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研究分担者 |
上木 岳士 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (00557415)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | メカノバイオロジー / 液々界面 / 細胞接着 / 幹細胞 / イオン液体 / ナノ薄膜 / ナノフィブリル / 間葉系幹細胞 / 界面 / 液体材料 / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,水と二相分離する液体の界面を足場に用いる新しい細胞培養技術の開発に取り組む。通常,細胞の培養に用いられるプラスチックシャーレなどの固体状の基質と異なり,形が変えられる液体界面を足場に用いることで,その液体を水中に分散したエマルジョン表面で培養や,ろ過による細胞の分離・回収なども可能となる。本研究期間内では,細胞培養に適した液体の探索やその界面での細胞力覚機構の探究,デバイス化などに着手し,この画期的な細胞培養技術の基盤を築く。
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研究成果の概要 |
本研究では,液体材料を足場に用いる革新的な細胞培養技術の開拓を行った.具体的な研究成果として,新たにイオン液体を足場材料に用いられることを実証し,液体の化学構造に応じて細胞接着が劇的に変化することを見出した.また,液体界面に吸着したタンパク質のナノ構造と細胞側の脂質ナノドメインの構造共鳴によって間葉系幹細胞が神経分化するという分化機構を突き止めることができた.以上のように,液体足場材料の適用範囲とそれにたいする細胞力覚機構の理解を深めることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の培養手法とは一線を画す液体を足場に用いる細胞培養技術において,どのような液体が細胞足場となりえ,それらを細胞がどのように細胞が力覚しているのかの理解が不十分であった.本研究で開拓したイオン液体材料ならびに界面にナノ線維を被覆する技術はこれらに明確な回答を与え,液体足場材料の学術的な理解を深めた.また,従来の細胞培養技術に廃プラや低生産効率などの課題が存在していたのに対して,新たな細胞培養モダリティとして液々界面培養技術の可能性を示した本研究成果は,環境・エネルギーなど社会的な意義もあるものと言える.
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