研究課題/領域番号 |
20K20651
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
高度科学技術社会の新局面
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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研究分担者 |
中井 豊 関西大学, ソシオネットワーク戦略研究機構, 非常勤研究員 (00348905)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アルゴリズム的偏見 / 進化ゲーム理論 / 個体ベースシミュレーション / 進化的安定 / 協力 / 規範 / 人工知能 / 完全自動運転車 / 倫理的推論 |
研究開始時の研究の概要 |
1.アルゴリズム的偏見の代表例として、完全自動運転車における道徳のジレンマを取り上げ、倫理的推論に基づいて問題の定式化を行う。 2.道徳評価ルールの規範的分析を行うため、進化ゲーム理論を用いた解析を行う。 3.規範的観点から評価された道徳評価ルールの現実妥当性について、被験者を対象とした調査実験によって検討する。 4.これらの成果を統合し、完全自動運転車を事例として、どのような人工知能原則が、アルゴリズム的偏見を回避できるのか、状況に対する道徳判断(人工知能原則)の提示を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、アルゴリズム的偏見という、既存の偏見がAIの利用により強化・固定化される現象について検討し、具体的には主に以下の4つの研究を行った。1.研究動向調査、2.進化ゲーム理論を用いた理論的分析、3.被験者実験を用いた実証的分析、4.人工知能原則の抽出と一般への還元。つまり、アルゴリズム的偏見を回避するための人工知能原則について、進化ゲーム理論を用いた理論的分析から規範的知見として抽出するとともに、被験者実験を用いた実証的分析から実現可能性について検討した。またこの両面を踏まえて一般原則の抽出に挑戦した。その成果については哲学者と議論することで、誰にでも分かりやすい考え方として提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルゴリズム的偏見は、人工知能の発達に伴い増大されるため、これからの社会にとって潜在的な脅威である。これをどのように回避するのかというのは、人工知能の開発の現状を理解しつつも、哲学や認知心理学といった他分野からのアプローチが求められる。そこで、本研究では、進化ゲーム理論を用いた数理的・認知論的なアプローチによって、望ましい規範の特徴について抽出し、その有効性について被験者実験で確認した。また広く国民に分かりやすい原則として提示するために、哲学者と協力して一般向けの著作物を作成し、出版を計画中である。
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