研究課題/領域番号 |
20K20660
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
|
研究機関 | 森ノ宮医療大学 (2021-2023) 大阪大学 (2020) |
研究代表者 |
山本 浩一 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (40362694)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 骨粗鬆症 / マウス / X線画像 / X線CT / X線写真 / 人工知能 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症は生命を脅かす危険はないが、これが原因で骨折が生じると寝たきり・要介護状態になるなど健康寿命に大きく影響する。骨粗鬆症予防は若年のうちから生活習慣の注意が大切となるため、国は骨粗鬆症検診を実施している。しかし、自身が健康だと思っている人ほど、骨粗鬆症に関する意識が低いこともあり、受診率は非常に低い。つまり、骨の検診のためだけには医療機関へ行かない世代がいかに自身に骨粗鬆症リスクが隠れているか認識し、健康寿命の延伸に繋げるかが重要である。そこで、定期的に受ける定期健康診断で骨粗鬆症リスクが認識できれば意識改革に繋がると考え、胸部X線写真を用いた骨粗鬆症検出ツールの開発を研究の目標とした。
|
研究実績の概要 |
本邦で人口の10%以上が罹患している骨粗鬆症は直接的に生命に対しての危険性はないとされているが、この骨粗鬆症が原因で骨折が生じると要介護状態、うつ病や認知症の発症、死亡のリスクが増大する。国は骨粗鬆症検診を実施・推奨しているが、受診率が極めて低い。そこで、本邦で多くの人が1年に1度は受けている胸部X線検査で将来の骨折リスクが自動的に予測でき、DXAなどの精密検査を受診するよう啓蒙できれば画期的ではないか?と考え、深層学習を利用したX線画像分類による骨折リスク予測システムの構築を行うことを考え、研究を実施してきた。 2022年度より導入した簡易CT撮影装置を使用して、2023年度は老年性骨粗鬆症を自然発症するSAMP6マウスと正常老化を示すSenescence-Accelerated Mouse Resistant (SAMR) 系統マウスの大腿骨・下腿骨・全身の2次元X線画像画像と全身CT画像を4ヶ月間経時的(2から3日おき)に取得し、得られた画像と深層学習技術を利用して「実験動物を用いた骨折リスク予測システムの構築」に繋がる技術開発を行った。 SAMP6マウスから得られた画像を確認すると、動物導入当初(8週齢)から1ヶ月程度までは成長にともない大腿骨、脊柱の骨量は増加傾向が見られ、3から4ヶ月経過すると逆に骨が減少する傾向が捉えられた。一方、SAMRマウスにおいては観察期間中の骨の大きな変化が見られなかった。この傾向を深層学習モデルに適用して骨粗鬆症の早期発見に有用となるシステム構築に取り組んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年4月より所属機関が変更となり、コロナ禍の状況でなかなか研究ができず、2021年9月頃から実験が実施できるように環境が構築できたが、10月以降から自身の講義・実習、会議等の学内業務負担が非常に増え、研究に割り当てることができるエフォートが非常に少なくなってしまった。2023年度も異なる種類(系統)のマウスを使用して画像取得を行い、また深層学習システム構築のための条件設定することに専念したが、2023年度内にも成果をまとめることが叶わなかった。成果をまとめるまで、あと一歩のところまで来ていると考えているが、当初の予定より期間延長を行っていることから、「遅れている」と判断した。再度期間延長が認められた2024年度内に当初の予定に近づける様に最大限努力する。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年9月に実験動物に使用できるX線撮影装置を導入したが、この装置だけでは骨量の僅かな変化を確認することが非常に困難であった。そのため、2022年9月より実験動物に使用できるCT装置を導入し、現在稼働するに至っている。学内業務に追われながら、実験動物(卵巣摘出マウス、SAMP6系統マウス)の骨経時変化を追跡することは非常に困難を極めているが、持続的な作業方法を見出している。2024年度内には当初の予定である「実験動物を用いた骨折リスク予測システムの構築」を完遂できるように研究を進めていく。
|