研究課題/領域番号 |
20K20670
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
超高齢社会研究
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研究機関 | 大正大学 (2023) 東洋英和女学院大学 (2021-2022) 慶應義塾大学 (2020) |
研究代表者 |
新村 秀人 大正大学, 心理社会学部, 教授 (70572022)
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研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任教授 (00190728)
稲垣 誠一 国際医療福祉大学, 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部, 教授 (30526380)
江口 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (70649524)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 超高齢者 / コホート / 認知機能 / 地域在住 / 介護保険 / 活動量 |
研究開始時の研究の概要 |
老いについて考えるとき、成熟、諦念、孤独は悲惨といったステレオタイプな見方から離れることが必要であろう。むしろ、多様な生き方、多層なレベルへの着目が必要だろう。本研究では、超高齢者のサクセスフル・エイジングの多様性を医学、看護学、心理学、運動生理学、経済学と多岐にわたる学問領域がもつ分析手法を活用して明らかにする。認知機能検査、頭部MRI画像、血液生化学的検査に併せ、生活の内容を質的に検討するとともに、活動量計を用いて生活における活動量を測定し、超高齢者の心身・生活機能の関連性を評価する。また、ライフ・インタビューを行いナラティブな思いにも着目する。
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研究実績の概要 |
【ベースライン調査】1)95歳以上の超高齢者の心身機能と介護度の2年間推移:2016年1月に住民基本台帳から抽出した対象は542人で、死亡・転居者を除く457名に質問票を送付し、41名から回答を得た。うち26名の訪問調査を行った。質問票返信のない者から死亡・転居者を除き363名に簡易質問票を送付し、128名から回答を得た。全般的に心身の機能は、訪問+質問票群>簡易質問票群>質問票のみ群の順で保たれていた。 2)85歳以上の超高齢者の心身機能と介護度の2年間推移:2016年1月に住民基本台帳から抽出した対象は2927人で、死亡・転居者を除く2443人に質問票を送付し、598人から回答を得た。うち233人の対面調査を行った。 3)地域在住の85-87歳の住民136名の認知機能と活動量計により測定した日常生活運動強度との関連を検討したところ、男性では、認知機能維持群は認知機能低下群と比較して、より強度の高い活動に多くの時間を費やす傾向があった。女性では、認知機能低下群の方がより長く高強度の活動を行う傾向が見られた。日常生活で容易に行える低強度活動を長期間継続して行うことが、超高齢者の認知レベルを維持するのに適していると考えられる。 【フォローアップ調査】2016年にベースライン調査を行った荒川区95歳以上/85歳以上の超高齢者のフォローアップ調査を2020年より開始した。8月に質問票発送を218名に発送したところ137名の回答を得た。10月より訪問調査を開始し、認知機能・精神状態評価、身体機能測定を行った。質問票の返信があった137名のうち、2023年3月末までに、62名の訪問調査を終え、他は、辞退53名、死亡7名、希望不明3名、未調整4名だった。活動量計調査は36名が終了し、インタビュー調査は20名を終了した。インタビュー調査の論文および心理社会的特性に関する論文を出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の蔓延が続いたため、超高齢者の自宅を訪問して調査を開始する時期が大幅に遅れた。感染症拡大状況下では、訪問調査を了承していただける対象者は少なかった。また訪問調査開始後も、数度にわたり緊急事態宣言が発出され、その都度訪問調査を中断せざるを得ず、調査は当初の計画に比べ遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
フォローアップ調査(訪問調査)は終了し、解析もある程度進んでいる。2024年度には、訪問調査を行って得られたデータを用いて、さらなる解析を行い、成果を報告していく。
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