研究課題/領域番号 |
20K20683
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
Alam Djumali 山口大学, 人文学部, 教授 (10290991)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | キャラクター / 眼差し / 声 / 象徴界 / 現実界 / 生命化 / 生命ネットワーク / 転移 / 模倣 / イノベーション / イメージ / 擬人化 / 記号 / 精神分析 / 偶像 / 実体化 / 二次創作 / キャラ活 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、“キャラ活”(キャラクターの実体化・二次創作活動または2・5次元化)を、擬人化と記号化の視点から分析して図式化を試みる。対象とするキャラクターは、現代日本における主なメディアやスポーツ、文化的なイベント・催しなどから、精神的影響力がもっとも大きいキャラクターを複数選択する。キャラ活は現代日本におけるきわめて顕著な精神的事象であるにもかかわらず、これを宗教学・スピリチュアリティの視点から考察する研究は皆無に等しい。「日本は創唱宗教よりも自然宗教が重要な宗教的機能を果たしている」という見方が正しいのであれば、現代におけるキャラ活にこそ、その精神が脈々と受け継がれているものと見る。
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研究実績の概要 |
三年目(2022年度)の研究活動では、以下3つの作業を行なった。 【キャラクターの二次創作活動のまとめと拡張】 本研究の一年目と二年目で研究したまとめた10のキャラクターについて、今年度は、これらのキャラクターのオリジナルの媒体から離れ、二次創作活動の現場で観察と情報収集を行った。さらに、これらのキャラクターにこだわらず、媒体そのものスピリチュアルな機能にも注目した。具体的にはイラスト、同人誌、動画配信、Vtuberの媒体に関する研究である。とりわけこられの媒体において働いている「象徴界と現実界の関係原理」およびファンが直接受け取る「眼差しと声」に注目してまとめた。 【構想/分析的視座のブラッシュアップ】一年目・二年目に行った構想のブラッシュアップを、さらに磨き、論文として執筆中であり(2023年度末の公開を目指す)。最新の構想は、象徴界と現実界の関係を、実体化されたキャラクターの「眼差し」と「声」の視点から、そのメカニズムを捉えた。ファンにとってキャラクターは、眼差しと声をもっているが、象徴界に遮断されている。キャラクターの二次創作(またはキャラ活=キャラクターを実体化する活動)は、接近型であれ実演型で想像型であれ、象徴界の遮断機を外す機能をもち、その場合ファンは、実体化されたキャラクターを通して現実界の眼差しと声を直接感じ取ることができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フィールドワークは当初の研究計画りに進んでいるが、研究全体のまとめは、若干遅れている。
理由は、フィールドワークから得られたキャラクターとキャラ活(キャラクターを実体化する活動)の情報とデーターを、ブラッシュアップと進化し続ける構想と図式に沿って記述するのに、予想以上の時間がかかったからである。
「キャラクターの実体化」というのは、現代とりわけ若者にとってのきわめて活気のある世界であり、経験科学的に理解して記述するのには、参与観察を含む一次データの収集が必須である。ただし、それなりの重要性を意識ながら意欲的にこなせる研究仕事であり、時間をかけても一定の成果をあげることに集中している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、1年間延長することになったが、この間に、以下のことを進める予定である。
1)これまでに得られたキャラクターのキャラ活(キャラクターを実体化する活動)に関する情報とデータを、本研究の最新の構想と図式に沿って記述・分析し、文書化する。
2)現代日本サブカルチャー全般における諸媒体(展示会、イラスト、同人誌、動画配信、Vtuber)が果たす「キャラクターの擬人化・実体化)を、本研究の最新の構想と図式に沿って記述・分析し、文書化する。
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