研究課題/領域番号 |
20K20687
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
阿野 晃秀 京都先端科学大学, バイオ環境学部, 嘱託講師 (70817642)
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研究分担者 |
森本 幸裕 京都大学, 地球環境学堂, 名誉教授 (40141501)
山下 三平 九州産業大学, 建築都市工学部, 教授 (50230420)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 雨庭 / Rain Gardens / グリーンインフラ / Planting Design / Plant selection / Xeric rain garden / 多年生草本 / Ecological Planting / 植栽 / Plant Selection / 雨庭に適した緑化植物の選定 / 空隙貯留型雨庭に適した緑化植物の選定 / 社会実装 / 雑草防除 / 緑化植物候補の選別 / 植栽基盤等の検討と決定 / 植栽モニタリング調査 / 水収支モニタリング調査 / 緑化植物 / 維持管理 / 生物多様性緑化 / デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動に伴い、治水機能を高めた緑化「雨庭」の普及が急がれている。現代都市の課題に対し、雨庭は自然と文化の保全、美観、洪水緩和、緑地福祉、地域活性化などに貢献する包括的な解決策となる。本研究は、多様なステークホルダーの参加による推進モデルの提案に向けて、実現に必須となる生態的文化的に保全意義の高い緑化植物の選定と、審美性と省維持管理を両立する植栽デザインモデルを開発することを目的とする。本成果は、黎明期にある我が国のG.I.の発展と普及に大きく寄与するに違いない。
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研究成果の概要 |
欧米で使用されてきた種やその近縁種である日本の在来種を中心に候補を選び、冠水耐性を検証した。結果、典型的な窪地型の雨庭に使用可能な植物種16種、厚い砂利マルチを使用する空隙貯留型の雨庭に適した種10種の適性が確認された。また、空隙貯留型の防草効果も確認した。本研究を通して、雨庭に適した緑化植物を選定するための実験系(490L大型プランターを使用する系と2Lポットを使用する系)と評価手法(目視・クロロフィル蛍光・葉緑素量での評価)も確立できた。実際に福岡県の民間敷地にて実装を行い、植物の適性と防草効果が検証でき、多年生草本を活用した自然風植栽が市民に好意的に受け入れられる可能性も示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
雨庭の主流化のために蓄積すべき知見の一つに緑化植物リストの作成がある。本研究では植物種の選定実験を通して実験系と評価手法を確立することができた。また、生態系サービスの享受や生息域外保全の観点から多年生草本の活用の推進は重要だが、維持管理を低減する技術が不可欠である。実験と実装による検証により、欧米で開発された空隙貯留型雨庭が我が国でも有効であり一つの解決策となることが示された。デザイン面では、世界的な潮流となりつつある多年生草本を主役にしたEcological Plantingが市民に好意的に受け入れられ得ることが示唆され、生物多様性に配慮した雨庭を推進するために重要な知見が得られたと言える。
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