• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

古代日本の大型将棋に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K20689
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関大阪電気通信大学

研究代表者

高見 友幸  大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (50300314)

研究分担者 中根 康之  大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (80555441)
原 久子  大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (80411479)
木子 香  大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (60624757)
研究期間 (年度) 2020-07-30 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード摩訶大将棋 / 平安大将棋 / 室町中将棋 / 中国象棋 / チェスの起源 / 初期平安京正方形仮説 / 日本書紀の紀年復原 / チェス / 日本書紀の紀年 / 天円地方の思想 / 平安京 / 陰陽五行思想 / 大型将棋 / 周礼の都城モデル / 将棋史 / 天円地方
研究開始時の研究の概要

将棋は平安時代から存在した伝統的遊戯であるが、その起源については全く不明である。従来の仮説では、将棋の起源は小将棋であるという大前提があったが、最近の研究からは、原初の将棋は大型将棋であり、そこから次第に小型化して小将棋が生まれたという仮説が提起されている。また、この仮説は原初の将棋が呪術であったという仮説とも連動する。
将棋が純粋な遊戯ではなく呪術だったとするならば、遊戯という観点だけから追求されてきた将棋史研究は根本的な見直しが必要であろう。本研究の目的は、古代日本の将棋を、文献学、歴史学、考古学、ゲーム学の観点から多面的に議論することで、従来の将棋史を再検討することである。

研究実績の概要

これまでの我々の研究から得られた将棋史の成果は次の5点に集約できる。1)大型将棋の駒は陰陽五行説で構成される:駒は踊り駒/走り駒/成り駒/2種の歩き駒として五行に分類され、さらに動きの対称性で陰陽に分かれ、六十干支を形成する。2)摩訶大将棋起源説:原摩訶大将棋(96枚)から、摩訶大将棋(96枚)を経て、大将棋(65枚)、平安大将棋(34枚)が成立した。また、原摩訶大将棋(96枚)から室町中将棋(46枚)への直接の分岐も見られる。3)原摩訶大将棋(縦横17目の正方形)の将棋盤は初期平安京の条坊を模した可能性が大きい。原摩訶大将棋から発展した摩訶大将棋は平安京が拡張されるとともに盤の大きさと駒の初期配置を変化させて成立したものと推測できる。4)大将棋から平安大将棋が作られるときに取り除かれた駒は、駒の名称はなくなるものの,駒の動きは別の駒の動きとして残される。5)原摩訶大将棋から順次駒数を減らして成立した最終形の平安大将棋は,この段階でさらに2分割され、中国象棋とチェスの原型になったという仮説を提示した。本仮説は関連学会で議論の俎上にある。
上記の研究成果の延長線上としてさらに以下の2点の課題を研究中である。6)将棋盤のマスの数や古代都城の正方形性は、初期平安京だけなく唐長安城についても厳密に成立していること。7)また、古代都城の設計寸法において継承されてきた数値は、古代の東アジアにおいては呪術的に深く信奉されていた可能性が非常に高いこと。たとえば、960や360といった数値は唐長安城、藤原京、平安京の基本設計に用いられる数値であるばかりでなく、当時編纂された日本書紀の紀年とも深く関わっている可能性があること。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の影響により、研究計画のひとつとして組み入れていた大型将棋の対局・展示イベントおよび将棋史ワークショップの開催が実施できないという状況が続いていたものの、2023年度後半より通常の状況にもどり、積極的に将棋イベントを実施することができている。
将棋史周辺の関連研究も想定以上に進展しており研究は順調である。

今後の研究の推進方策

引き続き大型将棋の対局・展示イベント、将棋史のワークショップを行いたい。これと並行して、研究成果のWebサイト公開を順次開始していきたい。イベント会場での対局・展示と同等の機能を持つWebアプリケーションが完成間近であり、研究の広報サイトとしての役割を期待している。
従来の研究が、文献や出土駒だけに注目して行われてきたのに対し、我々の研究は、遊戯ルールの詳細な分析が特徴である。今年度は、文献史学的な補足研究で進展を見せた室町中将棋をイベントの中心におく予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (30件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件)

  • [雑誌論文] 日本書紀の紀年問題に関する考察 --天皇の誕生年と即位年の解読--2024

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      日本国史学

      巻: 第20号 ページ: 93-105

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 古代大王家の系譜に関する仮説2023

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      日本国史学第19号

      巻: 19 ページ: 83-104

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 唐長安城の正方形仮説 ~初期平安京との関連性~2023

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル2023年2月号(ニューサイエンス社)

      巻: 778 ページ: 39-45

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 唐長安城の数理モデル ~唐長安城の正方形仮説補遺~2023

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル2023年3月号(ニューサイエンス社)

      巻: 779 ページ: 34-40

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 唐長安城の復原 ~藤原宮の位置に関する考察~2022

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル2022年5月臨時増刊号(ニューサイエンス社)

      巻: 768 ページ: 138-144

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 『三才図会』の雙陸盤面図解析2021

    • 著者名/発表者名
      木子香、高見友幸
    • 雑誌名

      国際ICT利用研究学会研究会研究論文誌

      巻: 2 ページ: 10-17

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 初期平安京の復原再考 ~都城における設計数値の継承~2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      国際ICT利用研究学会研究会研究論文誌

      巻: 2 ページ: 23-29

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「摩訶大将棋起源説反駁」に対する返答2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      大阪商業大学アミューズメント産業研究所紀要

      巻: 23 ページ: 1-19

    • NAID

      120007180623

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 摩訶大将棋起源説と初期平安京の復原 ~中国象棋とチェスの起源~2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      考古学ジャーナル2021年11月号(ニューサイエンス社)

      巻: 761 ページ: 40-50

    • NAID

      40022756586

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 大型将棋の将棋盤と平安京の条坊: 初期平安京の復原2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      大阪電気通信大学人間科学研究

      巻: 23 ページ: 1-13

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 呪術としての大型将棋に関する考察2020

    • 著者名/発表者名
      高見友幸、中根康之、木子香、原久子
    • 雑誌名

      大阪電気通信大学人間科学研究

      巻: 22 ページ: 13-24

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 初期平安京の復原: 都城の思想と大型将棋の将棋盤2020

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 雑誌名

      国際ICT利用研究学会論文誌

      巻: 4 ページ: 18-28

    • NAID

      130008114307

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 日本書紀に記載される179万2470年の解釈2024

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      第15回 国際ICT利用研究学会 研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ジグソーパズル「原日本書紀」の解法2024

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会「ゲームと教育」研究部会 第19回研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 各種大型将棋の復刻の現状2023

    • 著者名/発表者名
      高見友幸、木山雅貴、前野隆史、村上凱飛
    • 学会等名
      ゲーム学会第21回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 摩訶大将棋ディープラーニングAIの開発2023

    • 著者名/発表者名
      藤井湧之介、井上悠斗、木山雅貴、高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第21回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 中将棋のルールに関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中政大、菅原拓真、高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第21回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] コンピュータ平安大将棋AIの開発2023

    • 著者名/発表者名
      田中大翔、高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第21回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 摩訶大将棋のネットワーク対局サーバー2023

    • 著者名/発表者名
      井上悠斗、高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第21回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 唐長安城の復原 ~初期平安京正方形仮説の検証~2022

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      第11回国際ICT利用研究学会研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 中国象棋とチェスの起源に関する試案2022

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第20回全国大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 原摩訶大将棋のネットワーク対局版2021

    • 著者名/発表者名
      井上悠斗,中根康之,水上遼太,松本貴裕,高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第19回合同研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 摩訶大将棋の復刻とルールの現状2021

    • 著者名/発表者名
      水上遼太,中根康之,井上悠斗,高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第19回合同研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 原摩訶大将棋ネットワーク対局システムの設計2021

    • 著者名/発表者名
      井上悠斗,松本貴裕,高見友幸
    • 学会等名
      第10回国際ICT利用研究学会研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 中国象棋の駒の動きに関する考察:大将棋に由来する可能性2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      国際ICT利用研究学会研究会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 古代都城の設計と天円地方の思想: 平安京正方形仮説の考察2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第18回合同研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 平安大将棋と中国象棋の関連性2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第18回合同研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本の古代都城における設計数値の継承(序報)2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      第9回国際ICT利用研究学会研究会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 周礼「考工記」の都城モデルと天照大神2021

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      ゲーム学会第19回全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 初期平安京の復原再考 ~古代都城の設計思想~2020

    • 著者名/発表者名
      高見友幸
    • 学会等名
      第5回国際ICT利用研究学会全国大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-08-03   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi