研究課題/領域番号 |
20K20693
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
ハーン アーミル・アリー 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 教授 (80436659)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ウルドゥー語 / ヒンドゥスターニー語 / 言語学 / 社会言語学 / ヒンドゥスターニー / 南アジア / ウルドゥー / ヒンディー / ヒンディー語 / 言語接触 / 共通語 |
研究開始時の研究の概要 |
現代世界での話者人口やその広がりを考えるとき、本研究で扱う『現代ヒンドゥスターニー語』は、従来の視点からではなく、相互に理解可能な社会変種として位置づけ直すべきだと考えた。 しかし、インド、パキスタン間の政治的状況が主たる理由となって、その全体像と捉え直そうという動きは、まだ見られない。ウルドゥー文字にこだわらないウルドゥー語話者の増加をはじめとして、英領インド時代からの区別が通用しなくなり始めており、これまでの枠組では説明ができない現象が見られ始めている。従来のヒンディー語、ウルドゥー語という枠組にとらわれることなく、共通口語の全体像を捉えようとする、挑戦的な研究である。
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研究成果の概要 |
パキスタンやインド国内に留まらない、南アジア地域出身者の共通語としてのいわゆるウルドゥー語でもヒンディー語という呼称の枠に当てはまらない言語の解明の基礎となる資料の収集、移民多住地域でのデータ収集を行った。質問票の集計、分析は現在も継続して実施しており、ウェブサイトでの公開を予定している。 また、副産物というわけではないが、日本国内でウルドゥー語を学んだ者たちが記した書簡を分析した成果として『日本におけるウルドゥー語書簡』(ISBN: 9-789697-679157)をパキスタンから刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パキスタンとインドは、2024年5月時点でも政治的には決して歩み寄る姿勢が見られないが、実際にはウルドゥー語とヒンディー語という枠組みを超えて、共通の文法構造を持つ言語を用いる者同士、ほぼ支障なく意思疎通が可能である。また、ヨーロッパ各地に移民として居住している、南アジア地域にルーツのある人びとも、ヒンディー語、ウルドゥー語と呼ばれる言語を用いて意思疎通していることが改めて確認できた。インタビューの結果は現在もデータ整理の途中であるが、その文法構造や語彙についても、「ヒンドゥスターニー語」と呼ばれるべき言語であるという実感を得たことは、社会言語学の観点からも、学術的に大きな意味を持つと考える。
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