研究課題/領域番号 |
20K20694
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
越智 博美 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90251727)
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研究分担者 |
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70249621)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 冷戦 / アメリカ文学 / 図書館 / 奄美大島 / Robert Penn Warren / 冷戦期 / 文化政策 / ロックフェラー財団 / アジア財団 / 日米文化交流会議 / アジア諸国 / 冷戦期文化政策 / 一次資料 / 図書館司書 / CULCON / USIA / 国務省 / アメリカ研究 / 日米関係 / 合衆国広報文化交流局 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、1990年代以降、英米文学、および日本文学で盛んになってきた冷戦期文化(政策)研究をさらに進めるための一次資料特定とその精査を通じた国際共同研究に向けたプラットフォーム構築をめざすものである。従来終戦から1950年代までが中心的だった冷戦期文化(政策)研究を、政治、経済、軍事と結びついたものと捉えながら、さらにヴェトナム戦争後から冷戦終結まで拡大するための研究基盤を構築し、冷戦終結以降現在に至る視点を獲得すべく、実証的資料の所在確認を含めた探索を行い、その成果を今後の研究および次世代育成に資する資料として国際的な研究ネットワークにおいて共有し発表する。
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研究実績の概要 |
代表者、研究分担者共通のプロジェクト部分は、海外研究協力者Greg Barnhisel(Duquesne U)を招致しての国際会議であった。Barnhiselは直前に健康上の問題で医師から渡航を禁じられたが、発表原稿をいただき代読を立てて参加していただいた。 越智は、Yale 大学にてRobert Penn Warren Papersを調査、冷戦期後期のWarrenの動きについて資料収集したほか、クローズドな研究会をして、1930年代を冷戦期の萌芽期として読む可能性を探ったほか、吉原とともにドイツの国際学会にて、現地のアーカイヴ調査グループとの連携関係を確保した。 吉原はアメリカ占領期に奄美大島に設置されたアメリカ文化センターに関する資料を、後続である鹿児島県立図書館奄美分館館長であった島尾敏雄関係資料から調査するため、同館で調査を行った。同館書庫には、奄美大島だけでなく、日本各地のアメリカ文化センターに関する資料(書籍、ビデオ、スライド、各地のアメリカ文化会館のニュースレターなど)が未整理のまま残されており、これらの資料を整理すれば、文化冷戦においてアメリカ文化センターが果たした役割を、一次資料に基づいて明らかにできるという確信を得た。また冷戦期トルキエにおける米英文学制度化ついての基礎調査を行った。ドイツで開催された国際学会で、文化冷戦を主導した団体Congress for Cultural Freedom(CIA資金)の日本支部が発行していた総合誌に関する口頭発表を行い、世界各地で発行されていた同種の総合誌に対するグローカルな視点からの分析を通じて、グローバル冷戦の諸相を探ることができるという了解を、参加者と共有した。 国際プラットフォームという点においてはヨーロッパとの貴重な人的繋がりを作ることができ、コロナ禍で遅滞した調査がようやく追いついてきた一年であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトの基本線は、アーカイヴ調査である。当初はコロナ禍により、海外への調査ができず、その分が遅滞していたのだが、2023年度は夏に二箇所のアーカイヴに行くなど、遅れを取り戻すことがほぼできている。
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今後の研究の推進方策 |
本課題研究は、冷戦研究において、従来前期に集中していたアーカイヴ研究を後期へと拡充していくための基礎調査という位置づけである。本研究の先に、基盤研究への応募を予定していたが、その予定通りに応募することができている。招聘予定研究者の来日キャンセルにより少々の予算繰越にて予定より一年延びているが、次へ続く研究課題についてはすでに本課題から発展的に繋げることができたので、今後はそちらの課題を進めつつ、本課題のまだ残された部分について(Japan Foundation調査など)、進めていく予定である。
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